クールビズ室温は28℃?

May 11, 2017 – 5:41 pm

年金生活者にとってピンとこない話題ではあるが、クールビズというのが5月から始まっているらしい。ことしは、スーパークールビズという強化版のようだ。このクールビズ、現東京都知事の小池百合子が小泉政権で環境大臣をやったときにはじまったものと記憶している。

クール・ビズについて、日経電子版に多少面白いニュースがでていた。「環境副大臣、クールビズ室温『28度は不快』」というものだ。このニュースの冒頭は以下(転載):

 関芳弘環境副大臣は11日、首相官邸で開いた副大臣会議で、地球温暖化防止のため職場で軽装を促す「クールビズ」の設定温度の見直しを検討する考えを示した。関氏は冷房時の室温28度という基準について「実はかなり不快だ。無理があるのではないか。科学的知見を加えるよう検討する」と述べた。

クールビズの語源は、ウィキペディアによると、英語のクール(cool)と、仕事や職場のビジネスの短縮形ビズ(BIZ)を合わせたものだという。

暑い夏を乗り越えるのに、ネクタイ、スーツといったものに変えて涼しそうな軽装にすること、そしてエアコンの消費電力を節約しようというものと理解している。

こうした「運動」を展開するのは、地球温暖化防止ということで、それなりの意味があるのかもしれないが、今振り返ると、なんとも滑稽な話ではないか、と思うことも多い。

導入時の思い出
これが導入された2005年には、まだサラリーマン生活をしていたので、導入されたときの混乱を多少は覚えている。混乱のひとつは、世のサラリーマンがスーツ以外の装いをして来いといわれると、どうしていいのか分からなくなってしまうこと。サラリーマン諸氏(サラリーマンというより役所関係者かな)はかなり戸惑ってしまっていた。

戸惑った管理職のひとり、どこかリゾート地にでもでかけるような派手な「アロハシャツ」を着て職場に登場した。これには本当に驚いた。ビジネススーツ以外の軽装と言われた瞬間に「アロハシャツ」になってしまうというのは、なんとも仕事人間の情けなさを見たような気がして滑稽だった。

ただ、アロハシャツを着て仕事をするというのは、最近「あり」というのを聞いたことがある。この管理職者、時代の先端を歩んでいいたのだと、今になって、感心している。

居住環境、労働環境の改善を議論しない精神主義
クールビズというのは、省エネをすすめようとの掛け声で進められる運動のひとつだと思う。こうした運動の特徴のひとつは、精神主義というのが先行して、居住環境とか労働環境といった本来考えなくてはならない問題をスキップしてしまうところだ。

温暖化防止のため、冬は部屋の暖房に代えて厚着で過ごすなんて人をNHKのローカルニュースで紹介したのをみたことがある。ニュースで紹介されたおじさん、大真面目だった。まったくもって滑稽な話だった。こういうおじさんを取り上げたNHK 何を考えているのか、なんて思ってしまったのを覚えている。

適正な労働・居住環境を整えるというなかで省エネの方策は考えなければならない。

労働環境を整えるというところからみて冷房設定温度を28℃に設定するというのは、とても適切とは思えない。軽装で薄着にして凌げというものではない。

関芳弘環境副大臣がどのような方とは存じ上げないが、もっともなご意見だと思う次第。

そのうち、ウルトラスーパービズだ、なんてステテコ姿で職場なんてことが起きないように願うばかりだ。


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