気になったニュース: 銀行名から「東京」が消滅する!

May 16, 2017 – 7:40 pm

昨日(2017年5月15日)のTBSラジオ森本毅朗スタンバイで「三菱東京UFJ銀行」の銀行名から「東京」がなくなるというニュースがあった。私にとっては、多少、残念なニュースだ。

三菱東京UFJ銀行が来年春にも銀行名を三菱UFJ銀行に変更する方向で最終調整に入ったことが分かりました。三菱東京UFJ銀行は、2006年に旧東京三菱銀行と旧UFJ銀行が合併して発足。しかし、名前が長すぎるとの声が多く、行名から東京をはずし、持ち株会社名の三菱UFJフィナンシャルグループにあわせるといいます。

銀行の名称が変わるなんてどうでもいいような話とは思うが、私にとっては、時代の移り変わりを感じさせる、ちょっと残念なニュースだ。私の銀行口座は、現在は、三菱東京UFJ銀行であるが、この口座、30数年前に東京銀行に開設して以来のものだ。今だに、銀行に電話をするときに、「東京銀行ですか?」とやらかしてしまう。いよいよ、この「東京」が消滅してしまう。

東京銀行に口座を開設
30数年前に東京銀行に口座を開設したのは、私が仕事でパリに赴任することになった時だ。それ以来、三菱銀行との合併で銀行名がかわっても、そのまま継続して同じ口座を使用している。

東京銀行に口座を開設したのは、その当時、東京銀行はパリに支店を持っており、日本での給料の振り込み先の銀行口座を東京銀行にしておけば、いろいろ都合が良いのではと思ったからだ。

定かではないが、当時、日本の銀行でパリに支店を持っているのは東京銀行だけだった筈だ。

東京銀行のパリ支店は、当時、オペラ通りからちょっと路地を入ったところにあり、その周辺に、日本料理店とか日本語の本屋さんとかがあったと思う。

パリに赴任してすぐ、このパリ支店で、口座を開設しようとしたが、なにか行き違いがあり、パリの東京銀行での口座開設はできないかったように記憶している。パリでは、結局、フランスの銀行、Societe Generaleで口座を開いた。

旧東京銀行のおもいで
1969年の三菱銀行との合併以前の東京銀行は自由な雰囲気があり、とても親しみの持てる銀行だったように思う。今では、とても考えられないような「サービス」も受けた。

私のような超小口の預金者でも、非常に丁重に扱ってくれたと記憶している。また、驚くことに、盆暮れにはお中元、お歳暮が自宅に届いていた。預金額がわずかしかない私のような預金者に対し、お中元、お歳暮というのには、今考えても、破格の扱いだったような気がする。人生のうちで、お中元、お歳暮を受け取ったのは、東京銀行からだけである。

私の居住地が茨城県にあるのに対し口座を開設したのは東京駅八重洲口にある支店だった。遠方になるため、いろんな手続きをするのが大変だったのだが、担当の行員のかたが、いろいろ便宜を図ってくれたことを覚えている。便宜のなかみ、いまでは考えられないようなサービスだったのではと思っている。

三菱銀行と合併し、東京三菱銀行になった後は、お中元、お歳暮などいただくことはなかったし、東京銀行時代に受けていたような便宜を図ってもらうこともなくなった。あたりまえの扱いの変化とは思ったが、多少、残念に思ったのを記憶している。こうしたサービス、今では、銀行がどこであれ、とても経験することができないようなものだったのではと思う。

今考えてみると、東京銀行と三菱銀行のふたつの銀行は、そのカラーが全く異なるもので、よく合併できたものだと、今になっても感心する。

合併したときの初代の頭取は、たしか東京銀行出身だったように思う。銀行名も東京三菱銀行で、実質的には東京銀行が吸収されたのかもしれないが、表面上の扱いは対等合併だったように記憶している。

東京銀行の金融債
合併前の東京銀行にはワリトーと呼ばれる割引金融債とか、リットーとかハイジャンプとか呼ばれる利付金融債があった。

金融関連商品についての知識をまるで持っていなかったのだが、たまたま東京銀行に口座を持っていたこともあり、普通の預貯金より金利の高い金融債を購入していたのを記憶している。こうした金融商品は、年利で6%とか7%という現在ではとても考えることができないもので、とても重宝した。

こうした金融債は、東京三菱銀行と合併後3年程度は経過措置として存在していたが、その後は廃止になった。

銀行名から「東京」がなくなってしまうことに時代の移り変わりを感じる次第だ。


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