日本の商社、随分、元気なんだ!

February 4, 2012 – 2:34 pm

TBSラジオの朝の番組「森本毅郎・スタンバイ」(2月3日放送)で、随分、景気のいい話を聞いた。なんでも、大手商社7社で、海外子会社などから受け取る配当金などが1兆数千億を超え過去最大になったのだというのだ。家電メーカの業績が最悪なんてニュースが目に付くなかで、久しぶりに聞く「明るい」ニュースだ。
このラジオ番組のなかで、伊藤洋一(住信基礎研究所)さんの解説が分かりやすかった。メモしておいた。

日経で関連するニュースをさがしてみると「商社5社の純利益、計1.3兆円 資源価格上昇が押し上げ 2011年4~12月,3年ぶり最高」というのがある。ラジオで話されていたのはこのことなのだろう。以下、この記事のリード文を転載しておいた:

大手総合商社の収益が拡大している。三菱商事や三井物産など大手5社の2011年4~12月期の連結純利益は合計で1兆3千億円弱と前年同期に比べ約2割増加。同期間の利益水準としては08年を上回り、3年ぶりに過去最高だった。新興国の需要増を背景に鉄鉱石や原油など資源価格が上昇し、権益投資による収益が膨らんだ。

伊藤洋一さんの解説: 商社の最近の好調さについて 住信基礎研究所の伊藤洋一さんが解説していた。この解説、なかなか分かりやすかった。以下、(正確性には欠けるが)書きだしてみた:

日本の商社は、10年から20年前は厳しい時代を過ごしていた。
当時、商社不要論というのがあって、商社は、ものの売り買いの中間に入っているだけ、インターネットが入ってくるとこうした中間搾取をするような会社はどんどんつぶれてゆく。商社もその例外ではない、と言われていた。実際に、業績もかなり落ちた。
そこで商社は何をやったのか。実は、貿易事業からほとんど撤退してしまったのだ。我々が商社という語感から持つ貿易とのからみはかなり薄れてしまい、実際には、事業投資、特に海外の資源とかを買い、そういうところを法人化し、子会社にし、その投資のあがりで、事業を運営するということになってきているのが実態だ。資源権益とかインフラへの投資というのを積極的に行っている。
つまり、実質的には、商社は事業内容を変えているのだ。その結果、なにが起きたかというと海外で儲けたお金が、こちらに返ってきたときには非常に大きな収益になるというかたちになっている。
電機もだめ、鉄鋼もだめという話しがある。ものを作っている会社が不振になっている。お金とかを流している、投資している会社が好調なのに対して、ものを作っている会社が不振だ。その理由は、ものづくりの強力なライバルが途上国にいること、そして不振とかになると、消費者が買わなくなってしまうということで、ますますうまくゆかなくなっている。
しかし、エネルギーを買わなくなる消費者というのはいない。今、電機会社などのものつくりの業界は、ものすごい事業転換の時期にきている。消費者のニーズを汲み取り、事業転換をすることが大切になっている。

なるほど、と思う。

今こそ日本の産業構造変化の好機: こういう話を聞くと、素人考えではあるが、今みんなの心配している「超円高」なんていうのは、大した問題ではないように感じてしまう。むしろ、円高の今こそ、日本の産業構造を変換させ、新しい日本を作るチャンスではないのか。

福島第一事故発生以来、日本のエネルギーをどうするかということが議論されているのであるが、今こそ日本の産業構造の抜本的な見直しをはかり脱原発の方向に進めばよろしいのでは、なんて思う次第だ。

ここで、景気よく、「日本の未来は明るい」なんて言って見たい。


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  2. Mar 26, 2016: 日本の主要商社が赤字になったって! | Yama's Memorandum

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