今からは、ラジオを聴くのはインターネット経由だな!

March 27, 2010 – 12:04 pm

 IPサイマルラジオの試験放送が開始された機会に、インターネットで地上波と同じラジオ放送が流されることに相当意味があることに気づいた。まだまだ、この動きがどういう方向に進むのか定かではないが、ラジオ放送にとって、相当、大きなインパクトを与えるのでは、との印象だ。

「IPサイマルラジオ」のサービスは、私の居住する地域が放送エリア外にあるため、利用することはできなかった。残念なことであった。しかし、この「IPサイマルラジオ」の試験放送に参加している放送局のうちふたつの局、ラジオ日経とJ-WAVEは、この試験放送とは別に、独自にインターネット上で地上波と、ほぼ同じ番組を配信していることを知った。

ここ10日間くらい、パソコンの前で作業をしながら、このふたつのラジオ放送番組、そしてBBCのWorld Service を聴いている。いわゆる「ながら」作業をやっているわけだ。これが結構楽しい。いままで気がつかなかったラジオの良さにも気づく。

インターネット経由のラジオは、なんといっても、地上波の受信が困難な地域でもノイズのない良い音質の放送を楽しむことができるということだろう。当然といえば当然であるが、私のように、ローカル局でも受信が困難な地域に住むものにとっては、本当にありがたい。最近のストリーミング配信技術のすごさに感心する。

音質のいいラジオ放送を聞くことができると、ラジオが本来持っている良さに改めて気づく。特に、ラジオのリアルタイム性という特徴が実に良い。インターネットというと、すぐオンデマンド配信が可能とか、送信側と受信側との双方向性ということが強調されるが、通常のラジオ放送が「一方的」にリアルタイムの情報を流し続けるというのも捨てがたい。世の中の動きを、常時把握することができる。

テレビを視聴するのと違い、「ながら」作業が可能だ。加えて、何か事件が発生したときには、即座に関連する情報をパソコン上で確かめることができる。

NHKこそインターネット放送をやらねばならないな、と思う。我がエリア、夜になると、NHKといえども受信状態が悪い。しかし、「放送法」の条文を見ると、第一章、第二条一に「放送」という用語が、次のように定義されている:

「放送」とは、公衆によって直接受信されることを目的とする無線通信の送信をいう。

「放送」とは、法的には、あくまで「無線通信」なのである。そして、第二章 第七条には、

協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、良い放送番組による国内放送を行い又は当該放送番組を委託して放送させるとともに、放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行い、あわせて国際放送及び委託協会国際放送業務を行うことを目的とする。

と、NHKの目的が定められている。この条文を見る限りでは、インターネットによるラジオ放送、配信はその目的から外れるということになってしまう。

このあたりを考えると、まだまだ、NHKの地上波放送が、インターネット上に現れるのは先の話なのかもしれない。それにしても、科学技術の発達と、法律のギャップは大きい。NHKもボーとしていると、気がついたら、国民から見捨てられてしまうのでは、・・・。


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