3年前のニュース: 我孫子市の小学校で高い放射線量計測

October 26, 2014 – 10:05 am

3年前の今日(2011年10月26日(水))放送のTBS森本毅朗スタンバイで聴いた原子力問題関連ニュース:

千葉県我孫子市の小学校で1時間あたり11.3マイクロシーベルトの高い放射線量が計測されていたことが分かりました。普段児童が立ち入らない場所で、すでに溜まっていた土を取り除き放射線量は0.5マイクロシーベルトまで下がったということですが市は立ち入り禁止にしています。

前々日の24日のニュースでは、柏市の高濃度の放射性物質(セシウム)が見つかったというニュースがあった。26日はほぼ同じ地域の我孫子の高放射線量の話だ。これらの地域は東葛地域と呼ばれ、福島第一原発の事故により高濃度の放射能汚染地域になってしまったことが知られている。この地域に放射性物質が運ばれてきたいきさつについては、本ブログの「佐藤康雄著 『放射能拡散予測システムSPEEDI ―なぜ活かされなかったか』を読んでみた」のなかでも引用転載するかたちで紹介している。以下、再掲しておく:

3月21日の放射性物質の放出は、福島原発から300キロ以上離れた東葛地域にまだら状の汚染をもたらした。このまだら状の汚染の予測には、大気中の放射性物質の移流拡散時の沈着過程をかなり正確にモデル化することが必要だ。

本書では、東葛地域のまだら状の汚染発生の経緯について、気象研究所環境・応用気象研究部の関山剛主任研究員の見解として次のように紹介する。

東葛地域(茨城県守谷市、取手市、千葉県柏市、我孫子市)の高濃度放射能汚染地域(いわゆるホットスポット)は原発か

らの北東風によって直接的に形成されたのではなくて、20日夜から、21日未明にかけて原発周辺の北~北西の風に流されて、プリュームは茨城県の海岸線からいったん太平洋上沖合に飛散し、21日朝になって、北東~東北東の風に乗って、太平洋上から東葛地方上空に飛散し、そこで降り始めた雨と遭遇し、東葛地方に沈着したと考えられるのではないかということである。(pp.89-90)

この東葛地域におけるまだら状の汚染は、「メソ気象モデルの中で移流拡散過程と雨・雪による湿性沈着過程を正確に表現するモデルにより説明可能」とするものの、このモデルの作成・開発は、気象学の最先端技術により「メソ気象モデルのなかの雨雪の降水過程の時間空間での正しい表現」、そして「雨雪による放射性物質の除去過程すなわち湿性沈着過程の正しい表現」が必要であるとされる。

この時期、ニュースで報じられている柏市、我孫子市を含む東葛地域のまだら状の汚染は複雑な気象プロセスのもとで生じたもののようだ。いずれにしても、1時間あたり11.3マイクロシーベルトというのはかなりの高レベルだ。福島第一原発から300キロ以上離れた地域でもかなりの高レベルの汚染をもたらすという事実をあらためて想起させられる。

その他興味をもったニュース

公的機関へのサーバー攻撃

日本の公的機関へのサイバー攻撃が広がっています。衆議院のサーバーが不正アクセスを受けたほか経済産業省も情報漏えいの可能性があるウィルスメールが送られサイバー攻撃を受けたと発表、また読売新聞によりますとアジアや北米などにある9か国にある日本大使館でもウィルス感染したと報じられており被害状況の確認を急いでいます。

公的機関に対するサーバー攻撃は民間への攻撃に比べ、被害が大きいのではというのがこのニュースの肝のように思う。

この事実は否定する気はないが、もう一つ別のことを考えてしまう。いわゆる公的機関のサーバーの管理が適切に行われているかどうか、ということだ。偏見かもしれないが、公的機関のサーバー管理というのはあまり適切な管理が行われていないのではないか、という疑問である。公的機関のサーバーどうしても民間業者への丸投げというかたちになってしまうのではないか、といことである。丸投げされた管理業務というのは、どうしても、不適切な運用が行われるのではないかと想像してしまう。

ま、私の偏見かもしれないけど・・・。

混合診療

がん患者が保険がきく診療ときかない診療を併用するいわゆる混合診療を行うと全額が自己負担になるのは違法だと訴えていた裁判で最高裁判所は現在の制度は適法として原告の訴えを退ける判決を言い渡しました。混合診療をめぐっては経済界などが全面解禁を求める一方医療界では反対が根強くこの裁判でも1審と2審の結論が割れ、最高裁の判断が注目されていました。

いつも議論の対象になる混合診療。重い病気になると、どうしても最新の医療技術を適用して欲しいとの思いは大きい。最新の医療技術は保険適用外になるものが多いからだ。

この問題、医療保険制度の根幹にかかわるものだけあってかなりの難問だな。
 


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