オープンキャンパスへの参加(2010年版)

August 17, 2010 – 3:27 pm

先日、ある大学のオープンキャンパスにでかけてきた。我が子が受験しようとする大学の様子をながめるのが目的ででかけたのではあるのだが、受験しようとしている学部・学科とは、全く、関係ない模擬授業を受講させていただいた。

受講したのは「数学」の授業。なかなか興味深かった。感想をひとことでのべると、大学というのは、基礎的な教科・学問を軸とすべきであるな、といったことか。表現はどうかと思うが、2時間にわたる模擬授業を通じて、少しだけ、「アカデミック」な雰囲気に浸ることができた。

大学で何を学ぶべき?: オープンキャンパス、今回だけでなく、昨年、一昨年も参加した。そのたびに、いろいろな模擬授業を受けてみたのであるが、極端にいうと、なにかカルチャースクールで授業を受けたような感じを受けていた。「現代的課題」に直結したテーマを取上げ、議論・解説をするといったふれこみのものが多い。表現は悪いが「素人」受けのする課題・テーマを中心とする講義が多いように感じていた。

私が大学に入学したのは、すでに40年以上も前になる。その当時のことを思いだしてみると、当時、私が大学に期待していたのは、ある意味「浮世離れ」したアカデミズムではなかったのでは、と思う。いまでは、はやらない表現かもしれないが、大学で行われている「真理の探究」の一端に触れてみたい、ということであった。

私にとって、カルチャースクールで教わるような、「役にたつ」教養などを身につけるのが、大学に入学する目的ではなかったように思うのだ。

「数学」の講義内容: 今回、受講した「数学」の模擬授業、どちらかといえば40年前に私が受講した授業のスタイルを持つものであった。内容は、高校で履修した微積分の知識を用いて、テーラー展開、フーリエ級数展開を導出・議論するといったもの。40年前の大学時代を思いさせるもので、とっても楽しかった。

今はやりのパソコンとプロジェクタを用いた「ディジタル型(?)」授業と違い、黒板に数式をひとつづつ書きながら講義が進められていた。この方式、講師の先生の考えをフォローするのにとっても良いな、と思いながら受講した。

ここで考えたこと。大学というのは、こうした基礎的な「学問」をきちんとやるのが本筋だな、ということ。テーラー展開、フーリエ級数展開の導出法なんて実務的な話では直接には役にたたない。しかし、このあたりを一度はきちんと通過しておくのは極めて重要なことではないのか、と思った。

何ともまとまりのつかない話を書いてしまったが、グローバル化とかディジタル化といった「はやり」のトピックを「境界領域の学問」などときどっていないで、本筋の学問をするのが、大学というところではないのか、と思った次第。『境界領域の学問』なんていうのは、少し時間がたてば、だれも相手にしなくなる。せいぜい10年ももてばいいところだ。

今回のオープンキャンパスで、今の大学にも、古いスタイルの大学の空気が残っているな、と少し安心した次第。


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