介護サービスの行く末

August 24, 2015 – 5:32 pm

それなりに歳を重ねると、自分の受けることになる介護サービスの実態が気になってくる。今日の日経で介護サービスの行く末について書かれた解説記事を読んだ。

ここに、「北欧では、無理な食事介助や水分補給を施さず、そのまま自然なかたちでみとることが一般的」という驚くべきことが書かれている。

この解説記事をメモしておいた。

日経(8月24日付朝刊)の経済教室で「介護難民防げるか(上)」と題する解説記事がでていた。著者は、国際医療福祉大学の高橋泰教授だ、この方、「東京圏高齢化危機回避戦略」を発表した日本創成会議首都圏問題検討分科会のメンバーだという。

この解説記事を読んで、介護の在り方そしてその行く末に不安を感じてしまった。ここで主張されている介護サービスの在り方は、ある意味、現在我々が当然と思っている介護というものを、とんでもない方向に変えてしまうように感じる。

この解説記事での主張の要点
介護問題(高齢化危機)解決のためには、(介護サービスの)「提供側の構造改革」そして「利用者の意識改革」がともに必要だと主張する。

「提供側の構造改革」とは、後期高齢者の増加に応じて施設や人員の増強化や効率化を図るというもの。現在、我々が介護サービスというものについて抱いているイメージそのものを拡張、拡大するというように改革するということのようだ。

一方、「利用者の意識改革」というもの、1人当たりの医療・介護資源消費量を減らしてゆくために、介護サービスを受ける利用者の意識を改革(変える)するということという。

高橋泰教授の主張は、「若年人口の急速な減少と膨大な債務を抱える国家財政を考えると「提供側の構造改革」だけでは不十分で、「利用者の意識改革」なくして高齢化危機は乗り切ることはできない、とする。

(介護サービス)利用者の意識改革とは?
高齢化危機を乗り切るために必須の「利用者の意識改革」とは何か? おどろくべきことが書かれている。

この意識改革には、「北欧型の老い方・死に方」が手本になる、という。

以下、解説記事に書かれている「北欧型の老い方・死に方」について述べている部分を、以下転載:

北欧では自らの口で食事をできなくなった場合、嚥下(えんげ)訓練は徹底的に行われるが、それでも駄目ならば無理な食事介助や水分補給を施さず、そのまま自然な形でみとることが一般的である。その結果、寝たきりになる前に亡くなることが大半であり、北欧には寝たきりの高齢者はほとんどいない。

北欧では昔から、日本の施設のようなオムツ交換や食事介助はほとんど行われていない。フランスでは、90年ころまで高齢者に対して胃に直接栄養を入れる胃ろうが広く行われていたが、今日ではほとんどの人が食べられなくなったら諦めるというように劇的に終末医療が変わった。

私の驚き
なんのことはない。「介護老人を寝たきりになる前に自然にみとるべし」ということのようだ。少なくとも、私は、この主張を受け入れることは、とてもできない。

北欧とかフランスにおける介護サービスが、高橋泰教授が述べているようなものであるかどうか、私は知らない。まず、実態を調べてみたい、と思う。北欧、フランスの人たちが、こうした終末医療をどのように考えているのか、聞いてみたい。

それにしても、驚くような主張が、「日本創成会議」を構成するメンバーにより行われているのは理解できた。


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