Archive for the ‘読書・読後感’ Category



E.シュレディンガー「生命とは何か -物理的にみた生細胞-」を読んでみた

Wednesday, January 14th, 2009

本棚には、私の学生時代(30~40年前)に購入し、もはや「古書」の範疇の本が多数ある。整理しようと自作の「蔵書管理システム」の構築を進めている。このブログで進捗状況について書いてきたところだ。(例えば、ここ。その他一連の記事)この「古書」のなかに、「生命とは何か -物理的にみた生細胞-」が見つかった。開いてみると、ところどころ線が引かれているとか、簡単な書き込みも見受けられる。読んだことはありそうだ。しかし、ほとんど記憶にない。あらためて読んでみることにした。これが実にすばらしかった。

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ガモフによる「アルキメデスの原理」の証明

Monday, October 6th, 2008

最近、私の本棚に眠っていたガモフ全集を少しずつ読んでいる。ガモフは、アルファ崩壊を「トンネル効果」で説明したことで知られる高名な物理学者だ。物理学者本来の姿に加えて、難解な物理理論を「平易」に解説した数多くの一般向け著作を残していることでも有名だ。このガモフの著作を集めたのがガモフ全集、全12巻と別巻3冊として日本語訳が出版されている。この全集、ほぼ40年前に、私が学生時代に購入したものだ。この本を読んでいて、最近、話題にされている理科離れの理由に思いいたることがあった。

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「読み・書き」を科学すること(秋田喜代美著「読む心・書く心」を読んで)

Saturday, June 7th, 2008

前回エントリーで日本学術会議の「これからの教師の科学的素養と教員養成の在り方について」と題された「要望」について書いた。これを読み、日本の教育、特に科学教育が抱える問題の一端を理解できたような気がした。この「要望」の取りまとめをした「検討委員会」の委員長、秋田喜代美(東大・教育学研究科教授)が、どのようなバックグランドの研究者なのか知りたく、近所の公立図書館で、著書をさがしてみた。

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アル・ゴア著・枝廣淳子訳『不都合な真実』を読んでみて

Saturday, May 31st, 2008

昨年度のノーベル平和賞は、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)と元米副大統領アル・ゴアが受賞した。そのアル・ゴアの書いた「不都合な真実」を近所の図書館で見つけた。この著作「不都合な真実」は、話題としては耳にしたことがあるが、実際にどのような内容なのかは詳しくは知らなかった。いまさらとは思ったが、読んでみることにした。
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高木仁三郎が警告した巨大科学技術文明の抱える問題とは

Wednesday, May 21st, 2008

我が家の本棚に、高木仁三郎の「プルトニウムの恐怖」があった。この本が発行されたのは1981年だ。その2年前、1979年にはTMI事故が発生しており、原子力に反対する機運が高まった頃に発行された書だ。30年経った今、米国では、新規に多数の原子力発電所の建設が計画されようとしている。我が国の原子力反対運動の中心にいた高木仁三郎は何を主張していたのか、改めて読み直してみることにした。

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