Archive for the ‘生活・税金・年金・社会’ Category



子育て支援の財源は消費税増税とすべきではないのかな

Thursday, February 22nd, 2024

日経電子版(2/13配信)に「保険料に税の代役はできない 増税議論逃げる政治の怠慢」と題する解説記事(中外時評)がでていた。児童手当の拡充などの育児支援策の財源を保険料に上乗せし徴収する政府案を批判したものだ。

この解説記事で述べられていることには頷くところが多い。岸田政権に対しては様々な批判がされているが、このあたりが最もひどいところではないかと思っている。国のしくみを根本から破壊するような話ではないかと思ってしまう。

記事中に、社会保険というのは「病気や長寿、要介護といった予期せぬ事態に備える」もので、「加入する集団のなかで負担と給付の対応関係が本来の姿」であり、「支援金制度はこの関係がかなり薄い」とされる。社会保険料の特質として、「保険料には裕福な人の負担が軽い特性」があり、「高額の報酬を得ている人ほど収入に対する負担割合は小さくなる」ことを指摘している。

そして、子育て支援を社会保険で賄なおうとすることは、「(社会保険が)高所得者と軽減措置がある低所得者の負担が軽くなる一方、中間所得層の負担が相対的に重くなり、支援を必要とする子育て世帯に最も重い負担を求める」ことになってしまう。全世代で担うべき子育て支援を、子育てを担う世代に最も重い負担を求めるというのは本末転倒だ。

医療・介護・年金の保険料率(健保連の平均料率、労使負担分)は30%にも迫るという。「高齢者医療への拠出金が増え続け、世代間で負担と給付のバランスはますます崩れる」という現状だ(日経電子版4/2「社会保険料率30%時代 過去最高、現役の負担余地少なく」)。

後期高齢者の私としては、社会保険により過大な恩恵を受けている。世代間の負担と給付のバランスが崩れていることについては耳が痛い。

一方、わが国の家計の金融資産残高は2000兆円を超え、そのうち家計の預貯金は1000兆円になるという。世帯主年齢別の預貯金保有額は70歳以上は350兆円、60~69歳は260兆円超となり、60歳以上で600兆円を上回る(21年時点)という話もある。

どうすればいいのか?

突然、結論じみた話になってしまうが、老人の医療費負担を増やす(具体的には、一律、窓口3割負担)こと。そして、消費税率を上げることによる財源を確保することが良いと考える。

消費税増税は抵抗が大きいとは思うが、最も、平等な税負担の形だと思う。子育て支援の財源は、これを中心に置くことが適切だと思うところだ。



確定申告(2023年分)に対する還付金を受け取った

Saturday, January 27th, 2024

昨年(2023年)度分の確定申告に対する還付金を、昨日、受け取った。

申告書類は年が明けて5日に早々に作成していたが、企業年金基金分の源泉徴収票を受け取ったので1/15日にe-Taxで送付した。

申告書送付から10日間で還付金を受け取ったことになる。

手続きはマイナンバーカードを用いて行った。マイナンバーカードは世間では評判が良くないようだが、私にとっては便利なツール。ありがたく使わせてもらってる。
 



2023年分確定申告書類を作成

Friday, January 5th, 2024

新年の恒例行事にしている2023年分の確定(還付)申告書類の作成を(ほぼ)完了した。

確認用の申告書をもう一度確認し直して、e-Taxで送付する予定。

申告書類は、私と妻の二人分を同時に作成した。私の申告書に「配偶者の総所得」を記入することになるので同時に行うことになる。

確定申告をすることで、企業年金基金分の年金、そして株式配当に対する源泉徴収分の還付を受けることができる。年金生活者の私たちにとっては少額とはいえ有難い。多少の小遣い程度にはなる。

昨年もそうであったが、マイナポータルから「公的年金等の源泉徴収票」と「医療費通知情報(保険診療分)」をダウンロードした。

「公的年金等の源泉徴収票」については、昨年暮れ(12/29)に日本年金機構から「【ねんきんネット】電子版「公的年金等の源泉徴収票」についてのお知らせ」との電子メールが送られてきたので、ここで記されている手続きで比較的簡単に入手することができた。

マイナポータルの「医療費通知情報」については、残念ながら昨年10月までしかないので、2か月分の医療費については医療機関で入手した領収書の記載で補った。多少の不便を感じるが、私が最初に確定申告したときには、税務署に医療費の領収書を送付することが義務付けられていたのを考えると、随分進歩したように思う。

生命保険(がん保険)と地震保険の控除証明書は昨年9月にはやばやと受け取っていたのでこれを転記。

社会保険の控除分のうち、国民健康保険税と後期高齢者医療保険の支払い済み証が村役場から1月半ば以降に送られてくることになっているが、手元の領収書の金額を記入。

企業年金基金分の年金の源泉徴収票は、やはり1月中旬に送られてくることになっているが、年金額に変化がないので、昨年の源泉徴収票の情報を転記した。フライングという感じもしないでもないが多分問題ないだろう。
 



気になったニュース: 認知症薬「レカネマブ」保険適用??

Wednesday, December 13th, 2023

日経電子版(12/13配信)に「認知症薬「レカネマブ」保険適用、年298万円見込み」という記事がでていた。

認知症患者、本人、家族にとって「夢の薬」が登場ということでいいニュースと思う。年292万円と高額な薬だが、保険適用ということで、「高額療養費制度」の対象になり、本人の負担はほとんどない。しかし、効能を考えたときに、保健医療の行く末が問題になっているところを考えると、大きな議論の対象になるだろう。

日経記事のリード文を以下、転載:

中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は13日、エーザイと米バイオジェンが開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」を保険適用する薬価(薬の公定価格)を承認した。体重が50キロの人の場合、年間費用は298万円になる見込み。

この薬の効能: 認知症が発症しそうな初期段階で使うもので、認知症の発症を遅らせるのに効果があるという。こうした薬の使用を健康保険の適用対象とすることの是非には疑問を持ってしまう。

加えて、この薬の投与による副作用はかなり大きいのではないかと危惧する。あまり詳しくないが、薬の名前の後ろにくっついている「マブ」というのはmonoclonal antibodyの略。使用するのには細心の注意が必要なはず。

 



気になったニュース: 高齢者の社会保障負担、金融資産を加味検討??

Wednesday, December 6th, 2023

日経朝刊(12/6付け)に高齢者にとっては耳の痛い話題、「高齢者の社会保障負担」について報じられていた。いよいよ高齢者の負担増が、本気で、検討の対象になったようだ。

日経記事のリード文を以下に転載:

政府が5日に公表した社会保障改革の工程の素案には、金融資産や所得を加味して高齢者らの負担を検討する項目が盛り込まれた。年金などの収入が少なくても、多額の資産を持つ高齢者に一定の負担をしてもらう考え方だ。工程には医療・介護を中心に幅広い改革案が列挙されたが、現役世代の負担抑制に力不足な点は否めない。

改革工程の狙いは少子化財源の捻出と「給付は高齢者、負担は現役世代」に偏る社会保障の仕組みの是正の2点がある。


この記事には、政府が取り組む内容、抑制可能額について右表のような検討項目が掲げられている。(日経記事から(許可なしで)転載)。

この表であげられている項目は医療・介護にかかわる社会保障全般を網羅したものになっているように感じる。そのなかで、私に影響するのは、「後期高齢者の利用負担の見直し(3割負担の拡大など)」、そしてその下に記されている「その他の案」という部分。

「3割負担の拡大」あたりは、しょうがないと思うのではあるが、「その他の案」として示されたふたつの項目、・金融所得・資産を反映した負担と ・高額療養費制度の自己負担限度額の見直し、は刺激的だ。

まず、金融所得・資産を反映という項目については、具体的にどのような施策がとられるかまではわからないが、高齢者が資産を貯めこんでいるからむしりとるぞというメッセージを感じ、後期高齢者の私たちにとっては、あまり気分がよくない。大部分の高齢者の気分としては、「そんなに貯めこんでいるといわれるほどには、持ってないよ」という声が聞こえてくる。私自身の実感もそうだ。

もっと重要に感じるのは、もうひとつの項目、「高額療養費制度の自己負担額の見直し」だ。これに手を加えられると、まさかのときの保険の役割が否定されてしまうように思う。私自身は、高額医療費制度によって、随分助けていただいたと思っているが、この部分に手をいれられると、民間保険に頼らなければならないような気がしてしまう。

それにしても、生きにくい世の中になってきたような気がする。