Archive for the ‘科学・技術・社会そして科学論’ Category



福島第一事故による放射線被曝をどう考えればよいか(その10)

Thursday, February 2nd, 2012

昨日の東京新聞(2月1日朝刊)に「被ばく基準緩和 NHK番組 原発推進団体が抗議」なる記事がでていた。記事のリード文を以下転載:

 NHKが昨年末、国際的な低線量被ばくのリスク基準が政治的な判断で低く設定されたという内容の番組を放映したことに対し、原子力発電推進を訴える複数団体のメンバーらが「(番組内容には)誤りや論拠が不明な点、不都合な事実の隠蔽(いんぺい)がある」として、NHKに抗議文を送っていたことが分かった。

(続きを読む)



飯田哲也×鎌仲ひとみ共著「今こそ、エネルギーシフト」を読んでみた

Sunday, January 8th, 2012

「今こそ、エネルギーシフト」と題する岩波ブックレットを読んでみた。このブックレット、『世界』2011年5月号掲載の対談「自然エネルギーの社会へ再帰しように大幅加筆をした」ものという。

飯田哲也の書籍については、「『原発社会からの離脱』を読んでみた」ことがある。本書「今こそ、エネルギーシフト」も、これと同じように、我が国のエネルギー源を原子力から再生可能なものに転換することを主張している。

このなかに、「『安全な稼働』はどこまで可能か」とサブタイトルした部分がある。これに書かれていること、大切な論点と感じた。
メモしておいた。 (続きを読む)



土井里紗著 「放射能に負けない体の作り方」を読んでみた

Saturday, January 7th, 2012

福島第一事故のあと、放射線被曝による健康影響についての一般向けに書かれた書籍が数多く出版されている。そうした書籍のなかに、現在の放射線被曝に関わる法的基準の基礎となっているICRP(国際放射線防護委員会)の勧告を問題視するものも多い。こうした書籍が、子供の健康を心配する母親などを中心に読まれ、かなりの影響力を持っているようである。

こうした書籍のひとつで近所の公立図書館で見つけた土井里紗著「放射能に負けない体の作り方」を読んでみた。

本書の感想をひとことで述べると、この本、今回の原発事故に便乗した単なる「健康食品」本といったところだ。こうした本の出版に、原発事故と放射能の環境汚染による不安な心理に付け込んだ不真面目な商業主義的な意図(少なくとも出版社にそうした意図はあっただろう)を感じてしまう。 (続きを読む)



「粉ミルクからセシウム検出」の報道で考えたこと

Friday, December 9th, 2011

12月6日に、明治の粉ミルクから放射性セシウムが検出されたと報道された。

このニュース、汚染のレベルの大小というより、むしろ、わたしが想像していなかった汚染経路が存在することに気づかされたこと、そして汚染を最初に見つけたのが市民団体であったことの2点で、私にとっては、かなり衝撃的なものであった。

ニュースの内容とこれに関連して私の考えたことをメモしておいた。 (続きを読む)



福島第一事故による放射線被曝をどう考えればよいか(その9)

Tuesday, December 6th, 2011

高木仁三郎著作集の第2巻に右のような図が載せられている。この図は、チェルノブィリ事故後に西ドイツの雑誌に「西ドイツの子供の新生児死亡数」として掲載されたものだという。随分前に刊行された資料に示されたものではあるが、福島の事故を経験した今ながめると、かなり不気味なデータではないかと思ってしまう。

さて、この図から我々は何を読み取るべきなのか?ここに示されているデータをどのように解釈すればいいのか? (続きを読む)