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八木絵香著「対話の場をデザインする」を読んでみた

Wednesday, October 26th, 2011

本書は、著者らが原子力立地地域において原子力の専門家と地域住民の間の効果的な「対話」を実現しようと、2002年から2009年まで7年間にわたって行った実験的な試み「対話フォーラム」の実践記録である。

この「対話フォーラム」は、国の原子力開発計画が遅々として進まない原因のひとつを原子力の専門家と立地地域住民との間に効果的な「対話」がもたれてないこととの認識から立ち上げられたプロジェクトである。

この実践記録が発刊されて1年半後の今年3月11日に福島第一原発事故が発生した。
フクシマ後の今、本書の「対話フォーラム」などにおける原子力分野における「リスク・コミュニケーション」活動とはなんであったのか考がえてみたい、と本書を読んでみた。 (続きを読む)



TMI事故で避難者に支払われた保険金

Monday, April 11th, 2011

福島第一原発の事故では、半径20Km圏内の住民の方々に対して避難指示がでている。そして今日、「福島県葛尾村、浪江町、飯館村、及び川俣町の一部と南相馬市の一部について『計画的避難区域』として、避難対象に加える」(asahi.com記事(4/11) )との方針が示されたようだ。 (続きを読む)



東日本大地震・個人的体験(原発事故発生を知った直後)

Monday, April 4th, 2011

今回の大地震、その規模のすごさに加えて、福島原子力発電所に事故が発生したことが、今までにない災害となったといえる。地震、津波という自然災害だけでなく、人工物による苦難が、災害の質を大きく変えている。原子力関連の組織で働いていたものとしては、まさに驚愕の事態だ。

地震発生から3週間も経過した今日、未だ、問題解決の見通しもはっきりしない状態が続いている。

この原子力事故について、詳しい情報も持たない状態で憶測だけでブログ記事を書くことは、正しくないことと思う。しかし、この原発事故の発生を知った際の「個人的に考えた」ことを書き留めておくことは、記録として、それなりの意味を持つと考えた。 (続きを読む)



戸塚洋二著「戸塚教授の『科学入門』」を読んでみた

Thursday, August 26th, 2010

近所の公立図書館で「戸塚教授の『科学入門』」を見つけた。ニュートリノに質量があることを実験的に突きとめた我が国の誇る実験物理学者・戸塚洋二氏の著作だ。いつか読んでみたいと思っていた。早速、借り出して読んで見た。

感想をひとこと、私などが言うのはどうかと思うが、「実に良い」。自然科学の実験的な研究を行なおうとするものにとって必読の書ではないかと思う。 (続きを読む)



スウェーデンが原子力政策を転換

Tuesday, February 10th, 2009

スウェーデンは、30年前に起きた米国TMI事故後、国民投票により原子力全廃の方針を決定した反原子力政策の国として有名だ。そのスウェーデンが原子力発電所を容認する政策に転換するようだ。これまで水力、風力など再生利用可能エネルギー利用のリーダー的存在だったスウェーデンの方針転換、ヨーロッパの原子力事情が大きく変化していることを示す大きなニュースだと思う。

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