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吉本隆明著「『反核』異論」を読んでみた

Saturday, January 31st, 2009

NHK教育の吉本隆明の講演を見て(NHK教育TV「吉本隆明が語る 沈黙から芸術まで」を見た)、この人の著作に興味を持った。近所の図書館にでかけて、その主著「共同幻想論」を読もうと探してみたが、一般の書架になかった(閲覧数が少なく倉庫に保管されていた)。とにかく吉本隆明の著作だったら何でも読んでみるか、ということで、目に付いた「『反核』異論」と「戦争と平和」の2冊を借りて読んでみた。「『反核』異論」のなかで主張されていること、特に「科学の本質」とはなにかを議論した部分は非常に重要であると考えた。現在の反科学的な風潮に対する鋭い批判になっている。

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フランスの放射能漏れ事故-EU諸国の原子力政策にどんな影響?

Sunday, July 20th, 2008

2週間前、フランス南部にあるTricastin原子力発電所でウランを含む低濃度の放射性溶液が廃液タンクから流出する放射能流出事故があった。今度は、やはり南部のRomans-sur-Isèreにある研究炉用核燃料製造工場で地中に埋設した排水パイプからウラン溶液が漏れていたのが見つかった。いずれの放射能漏れ事故も、フランスの世界最大の原子力関連産業アレバの施設で発生したものだ。

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アル・ゴア著・枝廣淳子訳『不都合な真実』を読んでみて

Saturday, May 31st, 2008

昨年度のノーベル平和賞は、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)と元米副大統領アル・ゴアが受賞した。そのアル・ゴアの書いた「不都合な真実」を近所の図書館で見つけた。この著作「不都合な真実」は、話題としては耳にしたことがあるが、実際にどのような内容なのかは詳しくは知らなかった。いまさらとは思ったが、読んでみることにした。
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イタリア 原子力政策を転換?

Saturday, May 24th, 2008

IHT(International Herald Tribune)のHP(5月22日付けの記事)にイタリアの原子力政策が転換されそうとの記事を見つけた。今年の1月には、やはりIHTの記事で英国の労働党政権が、新規の原子力発電所建設に前向きな政策を取るとの報道があったところだ(当ブログ「地球温暖化問題と英国原子力政策」に関連記事)。このイタリアの動き、チェルノヴイリ事故以来、原子力発電に反対の空気の強かったEU諸国が、徐々に、エネルギー源としての原子力に回帰するサインなのだろうか。

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高木仁三郎が警告した巨大科学技術文明の抱える問題とは

Wednesday, May 21st, 2008

我が家の本棚に、高木仁三郎の「プルトニウムの恐怖」があった。この本が発行されたのは1981年だ。その2年前、1979年にはTMI事故が発生しており、原子力に反対する機運が高まった頃に発行された書だ。30年経った今、米国では、新規に多数の原子力発電所の建設が計画されようとしている。我が国の原子力反対運動の中心にいた高木仁三郎は何を主張していたのか、改めて読み直してみることにした。

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