Archive for the ‘読書・読後感’ Category



武谷三男「科学入門―科学的なものの考え方―」を読んでみた

Wednesday, October 28th, 2009

「科学的」に考えなくてはいけないとか、「科学的」に証明された事実であるとか、「科学的」という言葉がよく使われる。しかし、この「科学的」ということが一体何を指しているのか、よくよく考えてみると、(少なくとも私には)はっきりしない。そういうこともあって、いろいろな科学論にかかわる本を読んでいるわけだ。最近、武谷三男の「科学入門 -科学的なものの考え方-」読んだ。なるほどと思ったことも多々あった。メモしておいた。

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インターネット時代には欧米の「直線型思考」が有利

Sunday, October 18th, 2009

鳥飼玖美子さんの「歴史をかえた誤訳」のなかで、英米語圏と日本を含む東洋語圏の思考方法の相違について説明されていた。英米語圏では「直線型思考」をとるのに対し、日本語を含む東洋語圏では「渦巻き型」の思考方法をとるという。インターネット時代では、自分がもっとも主張したいことを最初にもってくる「直線的思考」が有利だという。文章を書くうえで大切なことが述べられているように感じた。メモしておいた。 (続きを読む)



米原万里著「不実な美女か貞淑な醜女か」を読んでみた

Sunday, October 18th, 2009

英語にしろ、フランス語にしろ、外国語を学ぶというのは容易なことではない。ひとつき前、鳩山首相が国連そしてIOC総会で英語で演説をし、「なるほど国外生活のある優れた政治家だ」、とマスコミに賞賛された。国際化時代の今、外国語に堪能でありたいと思うのは、みんなの願いだ。外国語が堪能な人の頂点にいるのはプロの通訳、この人たちは外国語というものをどのように捉えているのか。今は亡き露語通訳の米原真里さんの「不実な美女か貞淑な醜女か」を読んでみることにした。これが実に面白い。
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J.D.バナール著「歴史における科学」を読んでみた

Saturday, August 8th, 2009

以前、このブログで、「ガモフ全集(全12巻)を読んでみた」を書いた。この全集の別巻に「現代物理科学の世界」がある。訳者まえがきで、ガモフのこの本が「社会との関連をぎせいにして、科学そのものの知識と方法の解説に焦点をしぼる」ものであるのに対し、「科学そのものの解説をぎせいにして、社会(産業・経済・政治・思想)との関連に焦点をしぼる」ものとしてバナールの「歴史における科学」がある、と紹介されていた。では、ということで読んでみた。

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アルキメデス「テコの原理」の証明

Wednesday, May 27th, 2009

もう半年以上前に「ガモフによる『アルキメデスの原理』の証明」を書いた。例の「浮力」についての話だ。同じアルキメデスには、もうひとつ有名な「テコの原理」の証明の話がある。最近、武谷三男著「物理学入門 -力と運動―(上)」を読んでいて、この「テコの原理」の証明について書かれている部分を見つけた。「浮体の原理」だけでは、片手落ちだということで、この「テコの原理」の証明についてもメモしておくことにした。

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