Stephen Witt著「誰が音楽をタダにした?-巨大産業をぶっ潰した男たち」を読んでみた
Saturday, February 11th, 2017実に、面白い本を読んだというのが私の読後感だ。
原題は、HOW MUSIC GOT FREE – The End of an Industry, the Turn of the Century, and the Patient Zero of Piracy、翻訳本だ。
オーディオデータの圧縮フォーマットMP3の開発、普及、そしてそれがもたらした巨大音楽産業の再編の詳細を描くノンフィクションだ。IT技術の規格・標準化、知的財産権、Webプログラミングの発展が相互に絡み合う物語といえる。
ここで描かれる物語を構成する個々については、断片的にではあるが、私もそれなりの知識を持っていた。しかし、本書を通じて、その全体像を俯瞰することができたように思う。IT技術が産業全般に及ぼしているインパクトの大きさにあらためて気づかされた。 (続きを読む)