気になったニュース 放送法4条の撤廃
March 29, 2018 – 3:07 pm今朝のTBSラジオ森本毅朗スタンバイで、放送法4条の撤廃について報じられていた。
一般の放送にかぎらずインターネットの将来について、大きなニュースではと思った。
ニュースの内容は以下:
政府が検討する放送制度の改革案が明らかになりました。放送番組の政治的公平などを定めた放送法4条を撤廃し、これまで規制が異なっていたテレビやラジオなどの放送事業とインターネットなどの通信事業を一本化する方針です。放送分野の新規参入が狙いですが、法律的に公平性がなくなることで政権主導の番組など政治的に偏った番組が放送されるなどが懸念されます。
放送法第4条:
撤廃が提案されているという放送法4条は一体どのようなものか、条文を以下に引用しておいた:
(国内放送等の放送番組の編集等)
第四条 放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集にあたっては、次の各号に定めるところによらなければならない。
一 公安及び善良な風俗を害しないこと。
二 政治的に公平であること。
三 報道は事実をまげないですること。
四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
2 放送事業者は、テレビジョン放送による国内放送番組の編集にあたっては、静止し、又は移動する事物の瞬間的映像を視覚障碍者に対して説明するための音声その他の音響を聴くことができる放送番組及び音声その他の音響を視覚障碍者に対して説明するための文字又は図形を見ることができる放送番組をできる限り多く設けるようにしなければならない。
民放など放送事業者が総じて反対してるようだが・・
この規制撤廃の動きに対し民放経営者などが懸念を表明しているようだ。
規制の撤廃により、「放送インフラを担う無紋と番組制作部門の分離を視野に入れる」ことになることが放送事業者が懸念の背景にあるようだ。いままで通信インフラを整備してきた放送事業者にとっては、安価なネット配信と同列に置かれるというのは困る、言い換えると自らの「既得権益」を放棄するに等しいと映るに違いない。
放送事業者は、「『民放は災害報道など公共的な役割を担ってきた』と強調。『規制の撤廃によって暴力や性表現などが子どもたちに直接降り注ぐ』と懸念を示した(テレ朝・早川会長)」のような主張もしているようだ。これまで、政府の規制に沿って番組作りをし、公共的役割を果たしてきたのに梯子を外されてしまうということのようだ。
しかし、放送事業者がインターネットの動画配信などに対し優位性を誇示するのには、何をいまさらという感じがしてしまう。テレビで流されている番組がインターネットの動画配信に比べて優れているものとは、とても考えられないからだ。
ここらで、全面的に規制を撤廃し、「報道の自由」「表現の自由」を拡大する方向に舵をきるべきと考える。
放送に対する規制の撤廃がインターネット規制の呼び水となることには反対:
上述したように、規制の撤廃により電波行政による締め付けがなくなり、「報道の自由」「表現の自由」が拡大することには大賛成だ。
高市早苗前総務相は、2016年の2月に、政治的な公平性を欠く放送を繰り返し報道した場合、電波停止を命じる可能性に言及したことは記憶に新しい。インターネットについては、電波を規制するようには、政権による恫喝はできない。「報道の自由」「表現の自由」を拡大するうえでは、放送法4条の規制撤廃は意味がある。
ただ、懸念がなくはない。インターネットによる配信を規制するような動きが、放送法の規制撤廃に合わせてもちあがるのではないかなんて心配する。そんなことがないことを切に望むところだ。
話は前後するが、ここらでNHKの在り方も抜本的に考えなおしたらいかがだろう、なんてことも思ってしまう。