Archive for the ‘読書・読後感’ Category



多田 将著 「放射線について考えよう。」を読んでみた

Friday, November 9th, 2018

近所の公営図書館で本書を見かけ、読んでみた。

本書を読むことにした動機は、以下だ。

まず、本書の初版(第一刷発行)が2018年8月21日と、出版されて間もない。

福島第一事故から7年半が経過したいま、語りつくされたとも思われる「放射線」について議論するのは、どのような意図からか、多少、興味を持った。 (続きを読む)



「原子力安全基盤科学 – 放射線防護と環境放射線管理-」を読んでみた

Saturday, September 22nd, 2018

福島第一原子力発電所の事故後、京都大学原子炉実験所で原子力安全基盤科学研究プロジェクトが進められたという。

この研究プロジェクトのひとつの成果として、「原子力安全基盤科学 (3分冊)」が出版された。これは「『原子力安全確保の考え方って何だ』という市民の問に対し、原子力安全を考えなおす上で必要な基礎的な情報を包括的に解説する書籍」(第一分冊 はじめに)として出版されたものである。標記した本書は、その第3分冊目にあたり、放射線防護・環境放射線管理について解説・議論している。

この書を一読し、本書が、福島第一原発事故から7年という月日が経った今、放射線・放射能を取り扱う作業者を放射線被曝から防護することから始まり、原子力発電所から事故的に放出された放射能による環境汚染から一般公衆・周辺住民の防護に至る放射線管理・防護のありかたを学ぶうえで有益なテキストのひとつになっているように思えた。 (続きを読む)



服部禎男著 「遺言 私が見た原子力と放射能の真実」を読んでみた

Friday, July 27th, 2018

前々回の石川迪夫の著書に続き、本書も近所の公立図書館で見かけたものだ。初版が2017年12月7日と、原子力関連本としては新しいこともあり、読んでみることにした。

本書の著者、服部禎男は「電力中央研究所・元名誉特別顧問」。原子力界のリーダの一人だ。著者の名は、低レベル放射線は体に良いという「放射線ホルミシス」の提唱者として見かけたことがある程度で、詳しくは知らなかった。

福島第一原発事故以降も原子力推進の立場にあると理解している。本書を一読した感想を一言で言うなら、主張の詳細は異なるものの、石川迪夫の場合と同じく、傲慢な、原子力推進派リーダとの印象を持った。 (続きを読む)



石川迪夫著「考証 福島原子力事故(増補改訂版)」を読んでみた

Thursday, July 19th, 2018

近所の公立図書館で本書を見かけ、読んでみた。

本書は、3年前(2014年3月)出版の「考証 福島原子力事故」の増補改訂版だ。この初版本も同じ図書館で貸出し読んだことがある。今回、増補・改訂版ということで、改めて読んでみた。

本書の著者である石川迪夫とは、私が原子力業界で仕事をしていたこともあり、少しではあるが面識はある。面識があるといっても、遥か高い位置にあった著者に多少の思い出があるということにすぎない。その当時と変わらず自信に満ちた著者の「主張」に接し昔を思い出した。

著者の立場は、福島第一の事故後も、以前と変わらず原子力を強力に推進しようとするものだ。私の反原子力の立場とは相いれない。本書の全編を通じ、「原子力界重鎮」としての著者の主張は、私のような反原子力の立場をとるものを説き伏そうとする「凄み」を感じさせる。 (続きを読む)



上川龍之介著「電力と政治 -日本の原子力政策全史-」を読んでみた

Saturday, June 16th, 2018

もうひと月以上前の日経(5月12日付朝刊)読書欄で本書の書評を見かけ、読んでみることにした。

上下2巻で本文だけでも約400ページの「大作」。やっと読み終えたところだ。

読んだ、ということだけでも記録しておかねばということで、この記事を書いておいた。 (続きを読む)