気になったニュース: 玄海原発再稼働 佐賀県知事同意へ

April 24, 2017 – 12:34 am

今朝の日経(4/23付)に玄海原発を再稼働することに佐賀県知事が同意表明するという話がでていた。

この新聞記事のタイトルと冒頭部は以下:

九州電力玄海再稼働 あすにも同意表明 佐賀県知事
 九州電力玄海原子力発電所3,4号機(佐賀県玄海町)の再稼働を巡り、佐賀県の山口祥義知事が24日にも再稼働への同意を表明する見通しになった。知事は22日、県庁で世耕弘成経済産業省と会談。記者団に「原子力政策に『国として責任を持って取り組む』という強い決意を示していただいた。できるだけ早く最終判断をしたい」と述べた。

やらせメール事件の玄海原発
玄海原発といえば東日本大地震の後に明らかになった玄海原発再稼働を巡る「やらせメール事件」を思い出す。

この事件、「経産省が県民向けの説明会を開いた際、九電の原子力発電部門の社員が本社や子会社の社員に一般市民を装って再稼働を支持する意見メールを送るように依頼し、・・九電側が意図的に偏った意見を主催者側に寄せ、説明会の公平性を損ねたことに批判が集まった(日経(2011年11月7日付))」ものだ。

メール事件から6年が経過。再稼働に向け、地元の同意が得られた。秋ごろには再稼働の見通しという。

再稼働を願う地元自治体
冒頭の新聞記事の報じるところでは、「国が責任を持って取り組む」という言質を得たということで佐賀県知事が同意という図式のようだ。

結局のところ、佐賀県知事としては、国が責任を取ってくれるので同意したということらしい。しかし、福島第一事故以降のこの6年間の福島を考えると、国がどのように責任をとるのか・・・。なんとも、心もとない。

ひとたび事故が発生すれば、誰も面倒なんて見れないというのが福島第一の教訓ではなかったのか。

佐賀県知事の同意は、経産大臣が「責任とりますので」と表明したことで、自分の責任を回避できると思ったのだろう、なんて思ってしまう。

ここ2,3年の玄海原発関連記事について検索してみた。そこで、特に印象に残ったことは、立地自治体である玄海町長の原発再稼働への願いの強さだ。

岸本英雄玄海町長は、この1月に地元同意手続きを促すために県知事と会談をしたが、その後、記者団に対して、次のように発言したと報じられている(日経電子版(2017年1月17日付)):

「遅くとも県側で4月のうちに判断してもらえればありがたい」と話した。また、国や九電に町内で住民説明会の開催を求める考えはないとも語った。「再稼働すれば、飲食店、旅館、小売店が元の状態に戻り、商売が成り立つ。今は大変つらい状況だ」と指摘した。

原発の安全性がどうこうということより、疲弊した地元の状況をなんとか再稼働で打開したいとの玄海町長の強い願いが伝わってくる。原発に依存するしか生きていけない玄海町の現実を見ることができる。

こんな玄海町にしたのは誰なのか。なんとも原発の罪は深い。


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