「再生エネルギー」vs 「原子力」
April 24, 2024 – 11:38 am今朝の日経電子版(4/24配信)のトップに「住友商事、2000億円投じ蓄電池網 再生エネを安定電源に」という記事がでている。お天気だよりの再生エネルギーを安定電源として活用できるか否かは夢物語ではない現実的な蓄電池網が確保できるかどうかにかかっている。本気で蓄電池網を確立しようとする話が事実なら原子力もいらない。
上掲の日経記事のリード文を以下に転載:
住友商事は2000億円をかけて全国に蓄電池を設置する。太陽光や風力などで発電した電力が需要を超えた場合などに蓄電池にためて、必要に応じて放出する。政府は再生可能エネルギーを主力電源と位置づけている。伊藤忠商事やENEOSも同様の取り組みを進めており、主力電源に必要な安定供給に向けて前進する。
記事によると、この住友商事の計画では「30年度までに総容量を最大200万キロワット時に増やす」という。「国内の系統用蓄電池市場は30年に年835万キロワット時と、23年から約4倍に拡大する見通し」で、伊藤忠、ENEOSなどもこの事業に参入するようだ。
蓄電池の調達は、住商の計画では、日産自動車の電気自動車「リーフ」の中古バッテリーを再利用することにしているという。EV用のバッテリーの中古で必要な蓄電池が間に合うというのには懐疑的な感じも持たなくもないが、蓄電池網の普及のはずみになればいいのではと思うところだ。
再生エネの景気のいい話に対し、原子力側には悲観的な話が日経に解説記事としてでている。「老朽原発、40年代に急増 エネルギー計画の前提揺らす」という記事だ。現行の「エネルギー基本計画」では、30年度の原子力の比率を20~22%と設定しているが、思うように原子炉の再稼働が進まなく、計画予定通りに達成することが難しいという。
この記事に我が国の原子力発電所の現状についてまとめた図がでていた。右に転載したものだ。この図を見ると、再稼働が進んでいない現状が一目でわかる。西日本ではかなり再稼働されているのだが、残念ながら東日本、東北、北海道と再稼働されずせっかくの原子力施設が無駄になっている。残念なことだ。
再稼働できない理由は、「再稼働に向けた地元同意が得られない」が大きい。私の住む近く(2.5㎞の位置)日本原電の東海第2発電所も再稼働のめどがたっていない。「地元住民が起こした訴訟で避難計画の作成遅れなどの理由に運転差し止めの地裁判決がだされた」のも見通しが立たない理由のひとつだ。
原子力事故に備えて避難計画というが、住民のひとりとして若干乱暴なことを言わせてもらうと、避難計画なんてどうせ絵にかいた餅、なんの役にもたつものではない。避難計画なんていっても、せいぜい体育館で雑魚寝でもしてろという程度のもの、避難しないで屋内退避してじっとしているほうがむしろ安全だ。多少の不便は住民のひとりとして受け入れるから早めみ再稼働したほうがいいように思う。少し、言い過ぎな感じはしないでもないが・・。
話を蓄電池網にもどすと、住友商事の計画は九州での設置が計画されているようだ。北海道の泊原発は再稼働のメドもたっていないようだが、Rapidasの半導体工場への電源はどのように確保するつもりなのか。心配になってしまう。
まとまりのない雑文を書いてしまったが、エネルギーの確保を何に求めるか気になるところ。