大島賢一・竜谷大教授の脱原発・漫談を聞いてみた

April 13, 2024 – 4:37 pm


「原発をやめれば 電気料金は安くなる」とタイトルされた脱原発グループの講演会のYouTubeがあるのを知ったので覗いてみた。

この講演は昨年9月24日に、「脱原発ネットワーク茨城」という団体が主催したようだ。この講演の開催を知らせるポスター(?)がYouTubeの最初のほうに置かれていたので、これをコピーしこのページの右に掲載しておいた。

講演の演者は大島堅一龍谷大学教授で、この方は「原子力市民委員会」という組織の座長をしているようだ。この「原子力市民委員会」は「脱原発社会」の実現に向けた政策提言を行う民間シンクタンクとして2013年に発足したものという。(「原子力市民委員会の目指すもの」 日本原子力学会誌Vol.56,No3(2014))

講演内容は以下となっている(YouTube講演の冒頭に示されたもの):

  1. 今になって原子力推進?
  2. 原子力推進の理由
    • 気候変動問題
    • 電力の安定供給
    • 電気料金の高騰
  3. 時代にそぐわない岸田GX

講演は、「易しく」素人にわかるように漫談調に進められ、時折、笑いをさそうようなものであった。講演の全体、その雰囲気は、YouTubeを全編視聴すればよいのだが、「電気の安定供給」の部分について書きとったので以下アップしておいた。

講演のこの部分については、下記のOHPを見せながら行われている:

講演を書き取ったものは以下:

(45分20秒)
次、電力の安定供給についていきます。 はい。

これね、よく言われるのは、電力足りてないと仰るでしょ、ね。これどういう話なのかという話をします。

今年、滅茶苦茶、暑い夏でしたが、別に電力足りていましたね。なので、それとは関係ないのだと、すぐ、ご理解されていただけるとは思います。

電力逼迫問題がでてきたのは、去年の6月の終わりぐらいに東京電力エリアです、だから、ここ(この地域)もそうだったと思うのですけど。電力需給注意報というのが出たのですよ、初めて・・。ね、日本で初めて出たというの覚えていませんか? 注意報が出た。電力ひっ迫注意報がでた。

なんで初めて出たと思います?ルールを作ったのが3月だったから、初めて出たのです。

それは、そうですよ、だって、ね。大雨注意報が初めてできました。大雨が降りそうだったら、注意報が初めて出る。というのと同じです。

だから、いままで危機がなかったというのではなくて、そういうことではなく、注意報初めて作ったのですよ、注意報発令、3月にルール作って、初めて出たんですよ。

で、何でかというと、必要な消費量に対して供給量が5%の予備しかありません。これ、5%あるので全然問題ないのですけど、そういうことを一応やったわけですよ。停電するのは社会にとっておおきな問題ですから。

このとき何が起こったかというと、関東甲信越地方で観測史上最速で梅雨が明けたのです。 もう忘れてますね・・。今年、暑かったし・・。記録的猛暑だったのです。今年のほうが暑かったので、もういいやと思うのですけど。このときですね、5月、6月というのはどう時期かというと、普通は、電気の消費量が非常に少ない時期なのです。年間を通して。このとき、どうしているかというと、発電所を止めて修理点検をしている時期なのです。

で、計画していますから電力会社というのは。だから止めて、必要な計画して、必要な発電所だけ維持しながら、止めていたのです。修理点検していたのです。

なので、もし仮に原発動かしていても同じことなので、もし、原発動かしていても同じことが起きます。 わかります? 原発動かしていたとしても、 修理点検するので、ええと、動かせないんですよ。

だから、こういうときがあったということなんですね。これはどういうことかというと、一番暑いときの、ピークの時間に対して、5%下回ったということなのです。ピークですよ・・。だから、ピークなので1日のあいだの数時間の話です。

皆さんが、いつも、電気足りないと、多分、思ってらっしゃるのは・・。もしかして思ってらっしゃるのは、・・。あの、NHKがね、よくやるでしょ、電気が足りないので暗くしております。(笑い)あれは嘘ですからね。あのピークの話なのですから、ピークに対してだけの話なのに、いつも足りてないというかのように思うでしょ。そうじゃないですからね。

もちろん節電は重要ですよ。省エネするなといっているわけではないのですけど、全体としてどういうことかというと、ピークに対して、そのピークというのが過ぎれば いらないということですから、だから、その、ピーク こういうふうに、非常に稀な事象が発生し、この場合十年に一回の稀頻度現象なのですけども、そのときは需要を移す。要するに、そのときだけ、多少、1%、2%、省エネして、で、他の時に動かすというようにしてもられえばいいだけの話であって・・。 実際、そうしました。はい、いつも、足りてないわけではないのです。

でも、これねえ、桑子さんに言われたのです。ええ、ぼく、去年の暮れに、えーーと、クローズアップ現代に出たのですよ。見ましたか?(笑い)お忘れですね。はい、えへへ、そのう、出たんですよ。そのとき、電力の価格高騰の話と、電力が足りてないという話で、出たのですよ。

私のお相手は、原子力の学会長ですよ。ね。で、紳士なかたですよ。別に、何か原子力やっているから悪人とか、そういう事ではないですからね。思わないでください。皆さん、紳士ですから。で、そういうかたで。

それはともかく、必ずリハーサルするんですね。NHKって。なんか、10分伸びちゃったからどうするのだって。わーって、なんか文化祭みたいです。本当ですよ。本当ですよ。もうねえ、リハーサルして10分越えたら、ここ切ろうかあそこ切ろうかと放送作家がでてきて、どんどん変えていくという。で、なんか、年中文化祭ですね、っていったら、そうですねと。そういう感じなのですけども・・。

そのとき、桑子さんが、あの、リハーサル終わった時に、なんか喋っていたのですけど、僕に、「先生のいうことはわかるのだけども、電気足りてないじゃないですか」と言うのです。

はい。で、今日、今、話したように、「これピーク時の稀頻度現象の10年に一度の猛暑とか厳冬の時のピーク時の話であって、いつも足りてないんじゃないですよ。それは需要対策でできるのですよ」と申しあげたら、「あ、そうですよね」と、ディレクタも聞いていたのですけど・・、だからNHKがいつも足りてないとか云うのはだめだよ、といったら。「そうですよね」と、言っていました。だって、関係ないでしょ、と。あれも、本当に誤解与えると思うんですよね。いつも足りてないかというように思う。違いますからね。

で、だから、さっきも申し上げましたように、逼迫したときは、ね。どうするかというと、需要対策ですね。需要対策をするのが最も効率的です。

そのためだけに原発再稼働させるとか、めちゃめちゃお金かかりますからね。で、あと、他電源を停止するので、実際、原発を動かしたとしても、他の電源も停止するので、その、同じように修理点検しちゃうので、無理なのです。 で、あと、原発、今すぐ動かすんだって人いました。人いましたよね。なんかね、原発、スイッチ入れても、すぐたちあがりませんから、2週間ぐらいかかりますから、そのときには終わっているということで、全然関係ない話なのですよ。

で、実際、今年の夏もね。記録的猛暑だったけれども、きちんと計画しておけば、別に、需給ひっ迫しない、というようなことなのですね。だから電力のひっ迫と原発は関係ないと、そういうふうに思っておいてください。需要対策でいけます。
(52分41秒)

内容についての意見・感想は差し控える。ただ、私自身の印象は、随分、雑な議論が行われているといったところ。突っ込みどころ満載の講演というのには違いない。


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