DovecotをインストールしPOP3サーバを起動

December 10, 2007 – 9:08 pm

前回の記事でメール送信(SMTP)サーバ、Postfixの設定を終了するところまで書いた。今回は、受信(POP3)サーバの設定からメールサーバを稼動させるまでについて書こう。我がPCサーバでは、POP3サーバとしてPostfixとセットで使われているDovecotを採用した。採用根拠はといっても、どうやらDovecotがSMTPサーバをPostfixとすると定番であるとの印象をネット検索するなかで持った程度のことである。そんなに間違ってはいないであろう。

まず、Dovecotを例のyumによりインストールした。ネット上でこのソフトの設定方法について眺めてみると、特別な設定をする必要はなさそうだ。ただ、設定ファイル/etc/dovecot.confでは、ディフォルトでprotocols の指定を POP3とIMAPが両方にしてあるので、とりあえず、IMAPの部分を削除。加えて、メールボックスの使用(ディフォルトの設定だと記憶しているが)をするため、

protocols = POP3 POP3S
mail_location = maildir:~/Maildir

と編集しておいた。

これで、SMTP、POP3の設定作業は終了、いよいよメールサーバを動作状態にできるはずである。しかし、これを動作させる前に、多少、手続きが必要だ。必要な手続きを列挙すると、

1) ユーザのホームディレクトリ配下にメールボックス用のディレクトリを作成し、ディレクトリのパーミッションと、所有者を変更する。

/sbin/mkdir /home/user/Maildir            ;ディレクトリの作成
/sbin/chmod 700 /home/user/Maildir    ;Maildirのパーミッションの変更
/sbin/chown user:user /home/user/Maildir ;Maildirの所有者の変更

2) CentOS5をインストールした直後、標準のメールプログラムsendmailが動作している。このサービスを停止し、標準のメールプログラム(mta:message transfer agent)をPostfixに変更し、サービスを起動する。

/sbin/service sendmail stop          ; sendmail の停止
/usr/sbin/alternatives  --config mta  ; mtaの切り替え
       --- このコマンドにより、利用可能なメールプログラムとしてsendmail、
              postfixが示される。ここで、postfixを選択する。
/sbin/service postfix start               ;postfixサービスを開始

3) POP3サーバ、dovecotのサービスを起動

/sbin/service dovecot start

4) /etc/aliasesファイルを編集し、ユーザーアカウントを指定する。ここで、root宛に配送されるログ情報などをuserアカウントで受け取られるようにする。また、このファイルの編集により、メール用ユーザーアカウントを任意のものに変更することができる。編集後、このファイルをアクティブにする。

newaliases

5) DNS上のゾーンファイルでMXレコードを編集して、メールの配送先とするサーバ名を定義する。

6) ルータ、そしてPCサーバのファイアウォールでSMTP、POP3用に、それぞれ25と110のポートを開いておく

以上の手続きで、ひとまずメールサーバが動作を開始する。次にクライアント側のメールプログラムの設定をしなければならない。

我が家で使用しているマイクロソフトのOutlook Expressで、メールの送受信をするための設定について書いておこう。Oulook Expressの受信トレイ画面で、[ツール]  [アカウント]   [メール] で追加ボタンを押し、ウィザードの指示に沿って、名前、(返信用)メールアドレス、電子メールサーバ名を指定する。電子メールサーバ名は、受信メール(POP3)サーバ、送信(SMTP)メールサーバをそれぞれ指定するわけであるが、ここでは、上記の手続き5)で記述したDNSのゾーンファイルのMXレコードで定義したサーバ名と同一のものを指定することになる。次に、アカウント名、パスワードを指定することにより、メール用ユーザアカウントが設定できる。なお、ここで指定するアカウント名、パスワードは、上記1)でMaildirを作成したユーザのホームディレクトリのアカウント、パスワードが対応する。引き続き、インターネットアカウント画面([ツール]  [アカウント]   [メール]で開いた画面)上で、[プロパティ]ボタンを押し、[サーバ]を選択。送信メールサーバの欄で、「このサーバに認証が必要」にチェックを入れる。さらに、[設定ボタン]で、次の「アカウントとパスワードでログオンする」にチェックを入れ、受信サーバで指定したものと同一のアカウント名、パスワードを指定する。

以上の手続きで、なんとか我がメールサーバを利用したメールの送受信が可能になった。このメールサーバにおいては、ウィルスチェックとスパムフィルタを行う機能を付加している。これについては、次回ということにしよう。


Post a Comment