いまだにMRJの型式証明がとれない訳 – 設計思想の違い

September 1, 2020 – 12:17 pm

日経電子版(8/27付け)の「三菱重工のMRJ技術者、スタートアップで大空に再挑戦」とタイトルされた記事、興味深く読んだ。

この記事のリード文は次のようなもの(一部改変):

三菱重工業が実用化を目指す国産ジェット旅客機「スペースジェット(旧MRJ)」の開発を最前線で率いていた技術者が、退任後にスタートアップで「空飛ぶクルマ」の事業化に挑んでいる。空飛ぶクルマは大手企業も含む世界の各社が争う新市場だ。三菱重工とは全く異なる環境に身をいて「空の産業革命」の一翼を担う理由は何か。

記事自体は、リード文に書かれているとおり、MRJ開発の技術者が「空飛ぶクルマ」の事業化に挑んでいるという話。

私が興味深く思ったのは、MRJがなかなか完成しない要因について、議論されているところだ。

関連部分を以下に抜粋、転載:

(型式証明がなかなか取れない理由には)欧米勢との設計思想の違いがあった。・・(17年に)三菱重工はMRJの5回目の納入延期を発表した。延期について「なぜその配線がそこにあるのかといったことを論理的に説明する必要があった」

・・欧米では電気系統の配線位置を決める人物と設計図面を書く人物は分かれており、エビデンス(証拠)を残すことが必須。

一方で、両方の作業を一人で受け持つ場合が多い日本では、「完成時に機能すればそれが証明だ、という考え方がある」。この発想の溝を埋めることはできず、設計のやり直しを迫られた。

なるほどと思った。設計思想において、欧米と我が国との間にうえに述べれれているような違いが本当にあるとすると、MRJに限らず、日本技術には、未来はないように思ってしまう。なんのことはない、我が国の設計思想の根底に「職人芸」に依存していることを窺わさとわせる。

個別の部品を開発するとか、大型装置でもプロトタイプを作るという段階では、「職人芸」の活躍する場面も多いに違いない。しかし、大型装置を製品化する段階では、「職人芸」ではなく、まさに「ロジック」そして「ドキュメント」化の能力がとわ問われるはずだ。

本当にそうなのかなあ?
 


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