気になったニュース: 富士通英子会社制作の会計システムのバグで冤罪事件

January 11, 2024 – 1:59 pm

今朝のNHKBSワールドニュースをぼんやり眺めていたら、イギリス(BBC)のニュースの冒頭に富士通のロゴが映し出されていた。

このニュース、英国の郵便局で富士通の英子会社の納入した会計システムのバグが原因で横領や不正経理の罪に問われた郵便局長などの被害者に対する賠償・名誉回復が図られるということを報じたものだった。

日経の電子版(1/10配信)でも、この事件を「英郵便の冤罪、富士通批判が再燃 スナク氏「救済新法」」で、比較的詳しく、報じていた。日経記事のリード文を以下転載:

英国の郵便局長らが現金を盗んだなどとして起訴された大規模な冤罪(えんざい)事件をめぐり、欠陥のある会計システムを納入した富士通への批判が再燃している。スナク首相は10日、巻き込まれた局長らを救済するため「新たな法律を導入する」と述べた。議員の間では富士通に賠償を求める声も上がっている。

事件は1999年から2015年に起きた。窓口の現金が会計システム上の残高よりも少なくなり、700人以上の郵便局長らが横領や不正経理の罪に問われた。局長らは委託元の英ポストオフィスから補塡の要求を受けて借金したり、収監されたりした。

この会計システムを巡る事件については、日経電子版(2020年3月27日配信)に「英郵便局長550人が冤罪被害 「犯人」はバグだった」に詳しく報じられている。以下、この記事のリード文を転載:

英国郵便局の窓口業務を手がける英ポストオフィスで大量の冤罪(えんざい)が生じた。長年にわたって郵便局長550人に、誤って横領の罪を着せていた。20年ほど前に富士通の英子会社が構築し運用する勘定系システムにバグがあり、窓口の現金とシステム上の残高に不整合が頻発していたのが原因だった。ポストオフィスは同社を訴えていた郵便局長に合計5800万ポンド(約80億円)を賠償する。

二つの記事を読むと、会計システムのバグが多くのひとの人生を狂わすような事件に発展したというのには驚かされた。

20年以上前の事件で、会計システムの導入が一般的でない時代だったように思う。会計システムを制作・納入した富士通の子会社は、1990年ころの日本のバブルさなかに富士通が子会社化したものでもともとICLという会社だったように思う。私の記憶では、ICLというのは汎用機などに関わる大きな会社だったはずだ。

それにしても、富士通という会社、こういう事件がおきるとすぐ顔をだすような気がする。昔の話とはいえ、富士通の責任も問題にされるに違いない。
 


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