気になったニュース: 政府調達情報システム ベンダーロックイン状態

May 27, 2021 – 5:56 pm

今朝の日経朝刊(5/27付)の1面に「政府調達、競争原理働かず システム応札「1者」7割 霞が関のDX阻む」とタイトルされた記事があった。情報システムに限らず、政府、自治体の調達業務がこのような状態にあるのではと思った。かなり大きな問題。

この日経記事のリード文は以下(転載):

会計検査院は26日、政府が2018年度に行った情報システムの競争契約のうち7割が1事業者のみの応札だったと発表した。検査院は、受注したIT(情報技術)企業が独自仕様のシステムを開発し他社の参入を難しくする「ベンダーロックイン」を懸念。政府内のIT人材不足も足かせとなっている。霞が関のデジタル化推進には専門家の育成が急務だ。

検査院は、18年度に政府が発注した情報システムの契約のうち契約金額が3000万円以上だった755件を調査した。423件の競争契約のうち「1者応札」は74%(313件)を占めた。


この記事で危惧されている「ベンダーロックイン」状態、別に情報システムに限られたものではない。私自身の現役時代の多少の経験から言って、政府の調達業務の大部分がこういう状態にあり、常態化しているという印象。

こうした事態が発生する理由のひとつは公務員の数が少なく、システムの設計を丸投げせざるを得ないという現状もあるが、むしろ、業務を受注する側の業者自身が派遣・出向というかたちで、システムの設計段階から発注業務をとり仕切っているというのが実相ではないか。

昔の話で記憶もさだかではないが、こういう話がでると、「富士通の1円入札」という事件を思い出す。政府関連のシステムへの入札というといつも聞くのが「富士通」という会社であるが、「ベンダーロックイン」を前提にした営業活動はかなり有名なことなのではと思う。いかがだろう。

数か月前の東京証券取引所のシステム障害も「富士通」が関わっていたとの報道があった。政府のDX改革がこうした企業により食い物にされるのは避けねばなるまい。
  


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