日本の「歩留まり(良品率)の高さ」誇れるのかな!

March 3, 2024 – 10:48 am

TSMC創業者である張忠謀(モリス・チャン)氏が熊本工場の開所式のあいさつでソニー創業者盛田昭夫との交流を話題にしたという話が、数日前の日経の電子版「TSMC創業者、熊本で明かしたソニー盛田昭夫氏との秘話」で紹介されていた。

この日経記事のなかに、つぎのようなエピソードが紹介されている:

盛田氏はこのとき、張氏にこんな予言を告げた。「あなたは日本で達成する歩留まり(良品)率に驚くだろう」。実際に張氏のもとでTIが立ち上げた日本の工場は、米国工場を大きく上回る成果を上げた。

「(仕事の)文化や人材の点で、日本と台湾は似たところがある」(張氏)。日本での経験は、張氏が1987年に台湾で製造特化のTSMCを立ち上げるきっかけともなった。

このときとは、張氏が米半導体大手テキサス・インスツルメンツ(TI)のIC(集積回路)事業幹部として初めて訪日したときのことのようだ。

これを読んで、当時の日本の製造業の強さの源泉がどこにあったのかを知ったような気がした。

昨日の日経朝刊(3/2付け)に「半導体の黒子・日本に再評価 日経平均最高値、迫る4万円 資金流入の裾野広がる 部材など中堅企業にも買い」で半導体産業を支える日本の装置や部材の強さが強調されていた。

記事の一部とそこに掲載されていた半導体関連分野の日本の存在感を示す図(右図:日経記事より転載)を以下に転載する:

日本の半導体産業はチップの設計・生産で地盤沈下が続いたが、製造に不可欠な装置や部材で高い競争力を保ってきた。経済産業省の資料によると国・地域別シェアで素材は日本が48%と2位の台湾(16%)を大きく引き離す。製造装置でも31%と米国(35%)に次ぐ2位につける。

大量のデータを処理するAI向けの先端半導体は微細化や集積技術がカギを握る。複雑な製造工程に応えられる日本の装置や部材が欠かせない。

日本の装置、部材は一朝一石で成し遂げられるものではない。そして、これらは日本の持つ製造業の「歩留まり(良品率)の高さ」がその基盤にあるのではないかと思う。

かなり楽観的な見方になるのかもしれないが、まだまだ我が国、日本も捨てたもんではないかと思った次第。
 


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