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「原発災害とアカデミズム 福島大・東大からの問いかけと行動」を読んでみた

Wednesday, May 29th, 2013

福島第一事故の発生から2年が経過した。原発事故の発生以来、さまざまな視点・立場からこの原発事故が語られている。本書は、原発事故に対し、学者・研究者が、いかに向き合ってきたか。そして、アカデミズムが本来果たすべき責務を果たすことができたかどうか。福島大、東大の研究者たちが、それを、検証しようとしたひとつの記録(論文集といってよいか?)といってよい。

本書全体を通じて、原発事故による放射能汚染そしてそれによる放射線被曝という状況は、どのように考え対処すべきなのか、非常にラディカルな視点を提供する。原発災害に対する「科学」の立ち位置を鋭く検証する。深く考えさせられた。印象深かったところをメモしておいた。 (続きを読む)



八木絵香著「対話の場をデザインする」を読んでみた

Wednesday, October 26th, 2011

本書は、著者らが原子力立地地域において原子力の専門家と地域住民の間の効果的な「対話」を実現しようと、2002年から2009年まで7年間にわたって行った実験的な試み「対話フォーラム」の実践記録である。

この「対話フォーラム」は、国の原子力開発計画が遅々として進まない原因のひとつを原子力の専門家と立地地域住民との間に効果的な「対話」がもたれてないこととの認識から立ち上げられたプロジェクトである。

この実践記録が発刊されて1年半後の今年3月11日に福島第一原発事故が発生した。
フクシマ後の今、本書の「対話フォーラム」などにおける原子力分野における「リスク・コミュニケーション」活動とはなんであったのか考がえてみたい、と本書を読んでみた。 (続きを読む)



昨年のインフルエンザ騒ぎはどうなったのだろう?

Friday, October 29th, 2010

我が娘、来春に大学入試を控えた受験生である。入試前にインフルエンザにでもなったら大変だ。ということで予防接種をどうしようかと考えている。そこで思い出したのが、昨年の新型インフルエンザ騒ぎ。我がブログにもインフルエンザ関連のエントリーが数件ある。これを読み直してみると、去年は、毎日、インフルエンザの「恐怖」におびえていたのを思い出した。

今になって考えると、あの騒ぎ一体なんだったんだろう? なんらかの教訓をわれわれは得ることができたのかな?なんて考えてしまう。ふりかえってみた。 (続きを読む)



益川敏英著「科学にときめく」を読んでみた

Tuesday, October 19th, 2010

近所の公立図書館で一昨年のノーベル物理学賞を受賞した益川敏英さんの本を見つけた。受賞後1年たって刊行されたもので、ノーベル賞受賞時の講演、その前後に行われた各種の講演、雑誌などへの寄稿文がまとめられたものである。なかなか興味深い内容だった。私が興味深いと感じた部分をメモしておいた。 (続きを読む)



「ミニテル」とインターネット

Wednesday, March 24th, 2010

いつも愛読している「内田樹の研究室」で、いまでは誰も話題にしないフランスの情報技術「ミニテル」のことが触れられていた。フランスで「ミニテル」のサービスが始まったとき、丁度、パリに在住しており、このミニテルを使用していた。フランス国産の情報技術「ミニテル」に大変感激した。私にとって、実に、懐かしい話である。 (続きを読む)