e-Taxシステムと個人認証基盤

February 14, 2007 – 11:39 am

e-Taxにより自宅のPCから所得税の確定申告を終了した。申告に際し、住基カードを取得するとともに、新たにICカードリーダ/ライターを購入、公的個人認証サービスを活用する機会を得た。

報道によれば、このe-Taxシステム、平成10年に50%の利用率を目標にしていながら、現状では1%にも満たない利用率という。これが普及しない最も大きな問題のひとつは公的個人認証サービスに関わるものであろう。住基カード用のICカードリーダ/ライターの購入すら困難であり、国が本気でこのシステムの普及を図っているとは信じられないものだった。

ネット社会においては個人認証の重要性は論を待たない。同時に、この個人認証の基盤が個人情報の国家による一元管理といった管理社会に至る道を開くものであってはならない。住基カードに活用されているICカードといった電子ディバイスの機能を更に豊かなものにし、自らの個人情報の管理を国、他者に委ねるのではなく、個々人が自ら管理可能とするシステムを設計・構築することは技術的に可能と思われる。e-Taxシステムに見られる「失敗」はこうしたシステムを効果的なものにするうえで重要な教訓を与えるに違いない。


  1. 2 Responses to “e-Taxシステムと個人認証基盤”

  2. 「平成10年に50%の利用率を目標」ではなく、「10年度までに50%の利用率を目標」

    By admin on Feb 21, 2008

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  2. Feb 22, 2008: 住基カードの取得から1年経って | Yama's Memorandum

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