気になったニュース: 地方創生のため大学の募集定員を抑制?

May 13, 2017 – 8:16 am

昨日(2017年5月12日)のTBSラジオ森本毅朗スタンバイで「地方創生のため大学の定員を抑制する」という話がでていた。

東京の人口が集中する一極集中を是正するため東京23区で大学の定員の増加を認めないとする案を政府の有識者会議で大筋で了承しました。東京では、特に、若い世代で転入超過が続き、大学進学も容易となっているため政府は定員を抑制する新たな法律の制定も視野に検討するかまえです。

このニュース、私にとって、なんとも不思議な話だと感じた。東京の人口増加を抑制するため東京23区の大学定員の増加を認めないという。なんとも乱暴な議論が進行している。

有識者会議
「政府の有識者会議」というのは何なのかWebで調べてみた。「地方大学の振興及び若者雇用等に関する有識者会議(座長:坂根正弘コマツ相談役)」というもので、「まち、ひと・しごと創生担当大臣」のもとにおいた有識者会議だという。この担当大臣は、今、「学芸員はがん。一掃しないと」のとんでも発言で有名になった山本幸三地方創生担当大臣だ。やはりね、という感じを受けるのは私だけか?

この有識者会議のメンバーを見てみる。座長は上記してるように坂根正弘コマツ相談役。そして座長代理が都知事選敗戦で記憶も新しい増田寛也となっている。その他、地方自治体の長とか大学関係者等が名をつらねている。地方創生問題になるとかならず名前のでてくる増田寛也がここでもか、なんて感心してしまう。

どうでもいい話ではあるが、この有識者会議の座長、坂根正弘コマツ相談役、私の故郷島根県出身者のようだ。過疎の地、故郷島根県をなんとかという思いなのではないか、と推察する。有識者会議のメンバーに、島根県邑南町長が含まれるのは、こういうことかとゲスの勘ぐり。

東京の私立大学なんてどうにでもなるのかな?
有識者会議のいう東京の大学というのは東京の私立大学ということだろう。国公立の大学の学生が占める割合はわずかだ。

私、実は、東京の私立大学の出身である。ちょうど50年前に東京にでてきた。それから故郷には帰ることなく、今日に至る。東京には居住していないので、東京一極集中に加担しているということではないが、ともかく、故郷へUターンすることはなかった。

私の娘も、東京の私立大学にお世話になった。有識者会議のいう東京一極化集中の「がん」である東京の私立大学の出身者である。

評判の悪い東京の私立大学ではあるが、地方出身者の私にとっては、とてもいい経験をさせてもらったと思っている。大学が東京にあったからこそ、という経験も多い。

若者、一度は「大東京」の空気を吸うのが良いというのが私の実感だ。東京の大学に進学するのは良い機会だ。そして、(東京の)大学卒業後は、故郷にUターンするも良し、更に違う世界に飛びだつのも良し、ということでいいのではないか。

地方創生の名のもとに私立大学の持つ独自性を否定すべきではない。私立大学の独自性否定は若者の可能性をも否定することにもつながるように感じる。

東京の私立大学をいじめることで東京一極集中問題が解決できるわけではない。


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