ガソリン税の旧暫定税率は廃止すべきではない!
August 1, 2025 – 3:06 pm参院選で自公が大敗し、ガソリン税の旧暫定税率を廃止する方向で動きが現実化してきた。
マスコミ、特にテレビのワイドショーでは、この減税の動きを歓迎するような雰囲気である。こんななか、日経電子版(3/30 配信)に「ガソリン価格、暫定税率廃止ならカナダ並み 脱炭素に逆行」と題する興味深い記事がでていた。
この記事のなかで注目したのは、この記事から転載した右図に掲げた6月時点のガソリン価格を比較した図だ。
実に、日本のガソリン価格は、ドル建てで、米国、カナダより安いのだ。ヨーロッパ各国に比べて4割程度安い水準にあるのだ。この価格差の理由は以下のように解説されている:
価格差の背景には税負担率の違いがある。財務省によると米国の税負担率は15.5%と最も低く、カナダの31.7%が続く。日本は41.5%と、欧州の国の5〜6割に比べて低い。
数年前まで日本円は1ドルあたり120円程度であったころ、1lあたりのガソリン価格は100円を切るようなこともあった。160 ~ 170円という現在のガソリン価格になっているのは、ガソリンにかかる税率が高いということより、日本円が安くなってきたことによることが大きい。国際的にみたら、日本の税負担率は低い。こんな状況で、暫定税率を下げるというのは、バラマキ政策といっても過言ではない。
ガソリン暫定税率を下げることは、日本の財政規律を弛緩させる動きとして、日本円の信頼を棄損することにつながる。そして、さらに日本円が安くなり、輸入しか道のないガソリン価格が上がるということになる。
脱炭素を標榜する環境保全運動をする側からみると、税率を下げることによりガソリンの消費を増えるというのは脱炭素の動きとに逆行するものになってしまう。
いろいろ考えてみると、ガソリンの税率を下げるというのは得策ではない。ここらでヨーロッパ諸国並みの税率に引き上げてもよいなんて考えてしむ。