仏 Yellow Vest 運動 どこまで続く!
December 11, 2018 – 7:14 pmフランスの大規模デモは、先日の土曜日(12月7日)で、4週連続となった。
この時期のシャンゼリゼ大通りは、例年では、クリスマス用のイルミネーションで美しく飾られるのだが、今年は、この大規模デモにより異なった様相となっている。
今回のデモの端緒は、マクロン政権の「環境負荷を抑制するためにガソリン税アップ」に反対するところから始まった。このところの世界的な原油価格の高騰と重なり、ガソリン価格高騰により、マクロン政権への怒りに火が付いた形だ。
このデモへの参加者は、SNSの呼びかけに応え Yellow Vestを身に着け、街頭に繰り出している。また、主要道路においては、ロータリーを封鎖するなどの運動も展開されている。これまでの労働組合や既存政党に組織されたかたちではなく、労働者、年金生活者などが自発的に参加したものになっている。
なにか、60年代後半のパリ・サンジェルマンの学生騒乱すら思い起させるような運動に発展している。やはり、フランスは「市民革命」の似合う国だ。プロテストの主体が、私と同世代の年金生活者を含む市民が多く含まれていることにも強いシンパシーを感じてしまう。
この運動を受け、昨日12月10日、マクロン大統領は全国民に向けてテレビ演説を行った。
テレビ演説のなかで、今回のYellow Vest運動を踏まえ、大幅な譲歩する姿勢を示したようだ。テレビ演説の内容は日経電子版(12/11付)では、次のように報じている(以下、引用・転載)。
マクロンは、・・「黄色いベスト運動」を踏まえ「私は経済、社会的な非常事態を宣言したい」と述べた。
デモの要求に応じ、最低賃金を月額100ユーロ(約1万3000円)引き上げるとした。「企業の追加負担は発生しない」と語った。月収2千ユーロ以下の退職者を社会保障増税の対象としないことや、18年末のボーナスに課税しないことも発表した。残業手当に原則課税しないことも決めた。
燃料税引き上げについてはすでに、19年は実施しない方針を示している。
次の土曜日も大規模デモが呼びかけられているようだ。マクロン政権のこの程度の対応で運動が沈静化されるかどうか、なんとも言えないところだ。
個人的な感想になってしまうが、マクロンの「プチ・ナポレオン」的な振る舞いにフランス国民が辟易しているような印象すら受ける。今回のYellow Vest運動、収まるような気がしないのだが、どうだろう。
フランスの動き、これからも注目していきたい。