コレステロールの値高くても問題ない?!

October 25, 2010 – 6:08 pm

昨日の日経(10月24日付朝刊)に興味深い解説記事がでていた。「コレステロール高い方が長生き?」という記事だ。私、実は、コレステロール値が高いということでリピトールというコレステロール降下剤を服用している。私にとって、これは重要情報だということでメモしておいた。

コレステロールは高いほうがよいとの主張は、今年9月初旬に愛知県犬山市で開かれた日本脂質栄養学会大会で公表された「長寿のためのコレステロールガイドライン」というところで示されたものだという。

その主張は、

「コレステロールの摂取量を増やしても、血液中のコレステロール値は上がらない」「特別なケースを除き、動脈硬化による疾患の予防にスタチン類(コレステロール値を下げる薬)の使用は不適切」

この根拠になったデータのひとつが右図「伊勢原市市民のLDL値と総死亡率との関係」の疫学調査の結果だという。この図をみるかぎり悪玉コレステロールLDL値が高くても死亡率はあがっていないようにみえる。なるほど、と思う。

私のようにコレステロール値が高いものにとっては朗報ともいえる。なにしろ、副作用があるコレステロール降下剤を飲む必要がなくなるし、少々高くても寿命には関係ないというのだから。

この疫学調査は科学的ではないと、上記の主張は反論されているという。反論しているのは、動脈硬化学会。今月14日に反論の声明を発表したという。声明では、

「脂質栄養学会の委員会が公表した指針は、根拠としている論文が研究者の精査を経ておらず、科学性が担保されていない」そして「根拠を欠く指針は『指針に値しない』」

と真っ向勝負っていうことになっているようだ。

この反論、かなりすごい。動脈硬化学会からみると、日本脂質学会なんていうのは科学者の名にも値しない学者の集団だ、と言っているに等しい。

コレステロール降下剤を処方された患者にとっては、一体どうなっているんだろうと思ってしまう。双方の学会の主張を、患者のひとりとして、精査しなくてはならないな、という気分になってしまった。


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