Archive for the ‘科学・技術・原子力問題’ Category



西尾獏著「私の反原発切抜帳-歴史物語-」を読んでみた

Tuesday, January 30th, 2018

前回エントリに同じく、本書も近所の公営図書館で偶々見かけた図書のひとつだ。

著者、西尾獏は長年に亘り我が国における反原発の中心的役割を果たしてきた「原子力資料情報室」の共同代表のひとり。

原子力資料情報室設立の中心メンバー高木仁三郎の著作には、明快で鋭いロジックに感銘を受けたものであるが、現共同代表の西尾獏については、その名を見かけることはあっても、著作に触れたことはなかった。

本書を通じ、現在の反原発運動の流れのひとつに触れることができるのではと思い読んでみることにした。

一読した印象を述べると、私自身が原子力関連研究所に長年勤務していたにもかかわらず、本書を通じ、いままで知らない原子力業界の動きが数多くあったことに気付かされた、というところか。 (続きを読む)



小倉志郎著「元原発技術者が伝えたいほんとうの怖さ」を読んでみた

Monday, January 22nd, 2018

久しぶりに近所の公立図書館にでかけた。偶々、本書をみかけた。

本書のタイトル、かなり刺激的である。帯にはもっと刺激的な記述があった。次のようなもの:

原発は、ほんとうにとんでもない怪物だ。あの複雑怪奇な原発の構造を理解しているエンジニアは世界に一人もいない・・・・

読んでみることにした。

一読した感想を述べると、現場作業の持つ皮膚感覚を重視するあまり、あまりにも情緒的な主張に違和感を覚えた、といったところ。 (続きを読む)



気になったニュース: 東海第二原発の運転期間延長申請に向けて動きが!

Monday, November 27th, 2017

数日前(11月22日)の朝のTBSラジオ森本毅朗スタンバイで、東海第二原発の運転期間延長が申請されるというニュースが報じられていた。

運転期間の延長申請の締め切りが今月11月の末ということだったので注目していたのだが、予想したとおりの動きになった。

以下、ラジオニュースの中身と私の感想、想いを書いておいた。 (続きを読む)



茨城県知事選(2017年) 各候補者の原発への態度を見てみた

Monday, August 21st, 2017


私の住む茨城県では、投票日は27日で、県知事選挙が行われる。

今朝、郵便受けにこの知事選挙の選挙公報が入っているのを見つけた。右図が、この選挙公報のフォトコピー。パソコンに繋がっているスキャナーを用い作成した。この図をクリックすると拡大図が現れ、その内容を読み取ることができる。

私の住む地域では、選挙公報は新聞の折り込みとしてしか配布されなかったが、やっと新聞を定期購入しない所帯にも配布されるようになったようだ。結構なことだ。

知事選挙などの地方選挙では、立候補者の主張を知る手段は選挙公報しかない。我が家では、前回の選挙では、新聞を定期購読していなかったので選挙公報も手にはいらず、投票所で選挙公報を読み、投票に臨んだというおぼえがある。 (続きを読む)



気になったニュース: 原子力委員会 「基本的考え方」取りまとめ

Saturday, July 22nd, 2017

7月20日のNHKのTVニュースで、原子力委員会が今後の原子力政策の「基本的考え方」を取りまとめたことが報じられていた。

ニュースのリード文を以下に転載:

国の原子力委員会は、原発は運転コストが低い電源であり、地球温暖化や国民生活への影響を踏まえ今後も利用を進めるなどとした原子力政策の新たな指針を取りまとめました。一部の委員などからは、福島第一原発の事故などを受けて原発の経済性を疑問視する意見も出されていましたが、今回の指針には反映されませんでした。

原子力委員会のとりまとめた「基本的考え方」の中身がどうだったかというより、このニュースがNHK以外で取り上げられていないことに時代の移り替わりを感じてしまった。

ある意味、驚きすら感じた。

この指針は21日には閣議決定されたが、これについての報道も、ネットで検索してみる限り、主要メディアでは、毎日新聞くらいしか見当たらなかった(7月22日付東京朝刊)。

もう原子力委員会の役割、実質的なところではなくなり、メディアも殆ど関心を持たなくなってしまったということのようだ。