インターネットと監視社会
April 3, 2016 – 10:36 am日経(4月3日付朝刊)でFTのコラムの翻訳版「アップル・FBIの闘いの行方」を読んだ。この記事からインターネットにより形づけられる監視社会のすごみを再確認したところだ。
記事の一部を抜粋・転載:
現在、60億台以上の端末がインターネットにつながっている。米ガートナーはその数が毎日550万台ずつ増えているとみる。現代はまさに監視全盛の時代で、自分の歩く一歩一歩、心臓の鼓動一つひとつが記録されかねない。
世界の人口が、現在、約74億人だから、まもなくインターネットにつながる端末の数がこれを超えることになる。一人あたり一台以上の端末を所有することになる。
スマホの普及速度を考えると、「端末」をスマホと置き換えても差し支えないように思う。
スマホのなかは、所有者の「個人情報」「生体情報」が満載だ。例えば、iPhoneの指紋認証を考えてみるといい、持ち主の「指紋」までスマホのなかに記録されている。指紋認証センサーTouchIDという仕組み。ほぼ完ぺきに個人を識別してくれる。
iPhoneに標準で搭載されている「ヘルスケア」というアプリ、ユーザーがその気になると個々人の日々の健康状態まで記録、保存することができる。歩数の記録なんて当然だ。それなりのセンサーを準備すれば心拍数の変化まで記録することだって可能だ。
冒頭で紹介した記事がいう「自分の歩く一歩一歩、心臓の鼓動一つひとつ」は既に記録可能になっている。我々のスマホ上においてだ。
iPhone上に記録された情報、インターネットを介して覗きみることだって可能だ。端末上だけでなく、iCloud上にも記録、保存されている。個々人のすべての情報がネット上にある。
既にわかっていることとは言え、あらためて考えてみると、背筋が寒くなるような話だ。