28年前敷設の屋内LAN配線の見直し(1Gbps通信の実現)
July 17, 2025 – 4:32 pm28年前に我が家を新築するときに屋内LANを敷設している。現在もこのLAN設備を活用しているものの、その通信速度は100Mbpsであり、我が家で取り込んでいる光回線の1Gbpsに比べ、屋内LAN上では低速のままになっている。
屋内LANを1Gbpsの通信に耐えるものにするため、LANケーブルを新規格のCAT6、CAT6aのものに交換したいが、これには壁面を開口するなど大規模な工事になる。できれば、現在敷設しているLANケーブルで、なんらかの工夫で1Gbpsの速度を出す方策があればと考えた。
結論として、現在使用している屋内のケーブルを使用することでも、ギガイーサの速度がでるとの感触を得た。
敷設しているLANケーブルの素性:
敷設されているケーブルは「FURUKAWA YUTP CT5-4-FR」と印字されている。これをGEMINIの助けを借りて読み解いてみると次のようなものになる:
FURUKAWA: 古川電気工業株式会社製のケーブル
YUTP : プリフィックスY + UTP(Unshield Twisted Pair)
-4 : 対数(ペアの数)を表しており、「4対」になっている
-FR : 難燃性 (Frame Retarted)を示す記号で耐火性の被覆
ケーブル自体はギガビットに必要な8本の芯線を備えている。
ただ、このケーブルの芯線はカラーコーディングされており次のような対(ペア)でtwistしたものになっている。対1(赤 灰)、対2(緑 黒)、対3(白 青)そして対4(黄 茶)という具合だ。
一方、現在の国際標準のCAT5e、CAT6のLANケーブルの芯線の対のカラーは以下のような組み合わせになるよう定められている(配線規格 T568B)。対1(青、白/青(縞模様))、対2(オレンジ、白/オレンジ)、対3(緑、白/緑)、対4(茶、白/茶)となっている。
我が家に敷設されているケーブルは、CAT5というものの、LAN専用のケーブルとして標準化が進む前の「電話用」あるいは「計装用」のケーブル規格に準拠したもののようだ。
現在の通信速度が100Mbpsである理由:
LANケーブルを敷設した28年前の一般家庭向けのネットワークの主流は10BASE-T(10Mbps)あるいは100BASE-TX(100Mbps)のものであった。事実、我が家でLANケーブルを敷設する際には、10-BASE5という条件としていた記憶がある。
こうした通信規格では、以下のように4芯(2対)しか使用していない。1番ピン(送信+)、2番ピン(送信ー)、3番ピン(受信+)そして4番ピン(受信ー)という構成なのだ。一方、1Gbps(1000BASE-T)以上の通信では、8芯すべてを双方向の通信にフル活用しなければならない。
現在のLANが100Mbpsしか速度がでないということは、モジュラージャックの8つの結線部に、ケーブルの8芯が正しく接続されていないということになる。
旧い規格のケーブル「YUTP CT5-4-FR」で1GPSの通信を実現するには:
CAT6もしくはCAT6e対応のモジュラージャックを新たに入手し、次のような形式(最も一般的なT568Bのピン配置)で結線することで実現できる。
ピン番号 T568Bの色 YUTP CT5-4-FRの色割当 1 白/オレンジ 緑 2 オレンジ 黒 3 白/緑 赤 4 青 青 5 白/青 白 6 緑 灰 7 白/茶 黄 8 茶 茶
尚、100Mbps以下では、4,5,7,8のピンは未使用、1Gbps以上では全ピンを使用
LANケーブルの通信速度とねじりピッチの関係
上述したように、4対8芯のケーブルであればギガビット以上の通信速度を実現する可能性はあるが、通信速度が上がると、ケーブルを流れる信号の周波数が高くなる。周波数が高くなると、次のような問題を解決する必要がある:
- クロストーク(信号の漏れ):高周波信号ほど、隣のペアに漏れ出しやすくなる
- 外部ノイズの影響:高周波信号ほど、外部の電磁波ノイズの影響を受けやすくなる
こうした問題を避けるため、ねじりピッチを細かくし、高周波領域での問題を解決しようとしている。
我が家に敷設しているケーブル「YUTP CT5-4-FR」がギガビット以上の通信に最適なねじりピッチになるかどうかは不明である。これを知るには、実際にこのケーブルにCAT6以上のモジュラージャックを上述したピン配置で結線し、このもとで期待する通信速度がでているかどうか確認することが必要になる。
接続試験で通信速度を測定
CAT6のモジュラージャック(Panasonic社製NR3170)を2個購入し、これに手元にあった「YUTP CT5-4-FR」の5メートルのケーブルを結線。これを経由するかたちで、スイッチングハブ(CISCO 110シリーズ)とパソコンを接続し、スイッチングハブからパソコンと接続した場合のインターネットの速度をそれぞれ測定してみた。
測定は、iNonius Speed Test(IPV4/IPV6)を用いて行ったところ
スイッチングハブ <-> PC(Windows11)
Download (IPV6) 920Gbps
Upload(IPv6) 364Gbps
Download(IPv4) 935Gbps
Upload(IPv4) 127Gbpsスイッチングハブ <-> YUTP CT5-4-FR <ー> PC(Windows11)
Download (IPV6) 926Gbps
Upload(IPv6) 346Gbps
Download(IPv4) 929Gbps
Upload(IPv4) 255Gbps
YUTP CT5-4-FR ケーブルを介する場合とそうでない場合とは1Gbpsの速度がでており、外部インターネットとの接続には差がないことが分かった。
屋内のLANについて、CAT6のモジュラージャックを結線することにより、期待するギガイーサネットの速度がでる可能と考えた。ただ、壁内に這わしているYUTP CT5-4-FRケーブルの長さは30~40メートルに達することもあり、期待した通信速度を得ることかどうかは不明な部分はある。問題ないことを祈るだけ。