更新されない「再生産数」(日経記事より) – コロナウィルスとの闘い

April 29, 2020 – 8:51 am

日経電子版(4/28 22:30、4/29 5:59 更新)の「コロナ再生産数、更新止まった日本 足らぬ集合知 拡大か収束か見通せず」という記事、興味深く読んだ。

この記事、新型コロナ対策の感染拡大傾向の把握に欠くことのできない「(実効)再生産数」が4月1日以降全く公表されていないことに疑問を呈している。

さらに、記事では現状を次のように解説する(以下、抜粋):

再生産数は高度な数学を駆使した数理モデルによって導かれる。感染者数やその増え方などからはじき出すが、計算式をどのように設定し、より現実に近づけるかは研究者の腕のみせどころだ。

日本では、厚生労働省クラスター対策班のメンバーである北海道大学の西浦博教授が一手に引き受けている。国や自治体の新型コロナ対策は西浦教授らのグループの試算に基づいている。ここに日本が抱える感染症対策の大きな課題がある。

上述した記事の抜粋、我が国の新型コロナ対策を担う「専門家グループ」への不信を表明したものと感じた。

今、我が国、「ひととひととの接触を『8割削減』」自粛キャンペーンのさなかだ。この「8割削減」の根拠であるはずの「再生産数」が西浦教授らのグループが「一手に引き受けている」試算に基づくという。

この西浦某、マスコミに頻繁に顔を出し「8割削減」の大切さを話すが、その効果を表すはずの「再生産数」の試算値、試算根拠について話さない。私の知るところでは、「感染者数はピークアウトしたようであるが、理論的に(8割削減の効果として)期待されたほどにはシャープに低下していない。さらに努力が必要」と発言する程度だ。

「再生産数」の試算の基礎とするモデル、根拠も示さないで、「まだ努力が足りない」と思わせる発言にはあきれるばかりだ。ほとんど新興宗教のご託宣と変わらない。

ひょっとしたら、西浦某の依拠する数理モデルなるものが、単純なSIRモデル以上のものではなく、確固とした根拠もないのではと思ってしまう。多分そうだろう。
 


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