3月以降の流行は欧州発 -コロナウィルスとの闘い

May 17, 2020 – 10:57 am

日経(5/17付朝刊)の「『欧州型』世界で猛威 半月で変異対策明暗 コロナウィルス遺伝情報分析-> 17種に」を読んだ。この記事によると、「遺伝情報から感染が世界にどう広がったかがわかってきた」という。

日経記事中には、ウィルス拡散の様子を示す図が掲載されていた(以下、(無断)転載):


我が国には、中国・武漢発、そして欧州発のウイルスが拡散してきたことがわかる。

3月以降の我が国の流行は欧州発のものだという(以下、日経記事より転載):

・・国立感染症研究所は、3月以降に主に欧州型によって全国に感染が広がったとの分析をまとめた。1~2月に中国から日本に入ったウイルスは封じ込めに成功した。その後、欧州で流行しているウイルスが帰国者らを通じて流入し、対策が不十分なまま都市部から全国に感染が広がった。

ここで紹介されている国立感染研究所の発表は、「新型コロナウイルスSARS-CoV-2のゲノム分⼦疫学調査」に纏められている。

以下、抜粋:

中国からの第1波による感染クラスターを抑え込みながらも、世界では3⽉初旬からヨーロッパお よび北⽶で感染拡⼤と感染爆発の傾向がみられ、⽇本においてもヨーロッパ株を基点にしたSARS-CoV-2 株が検出された(図1 左上・⾚●)。その後、⽇本での3⽉における⾏動制限が不⼗分な中、⼤都市圏で の感染拡⼤を発端に全国各地へ“感染リンク不明”とされた孤発例が多数検出されるようになった。2020 年3⽉末から4⽉中旬における⽇本の状況は、初期の中国経由(第1波)の封じ込めに成功した⼀⽅、欧 ⽶経由(第2波)の輸⼊症例が国内に拡散したものと強く⽰唆された。

そして、

渡航⾃粛が始まる3⽉中旬までに海外 からの帰国者経由(海外旅⾏者、海外在留邦⼈)で “第2波” の流⼊を許し、数週間のうちに全国各地へ 伝播して “渡航歴なし・リンク不明” の患者・無症状病原体保有者が増加したと推測される。この海外旅⾏者を契機とした同時多発と3⽉中旬以降の⾏動制限への理解が不⼗分だったことを鑑みても、由来元が 不明な新型コロナウイルスが密かに国内を侵⾷し、現在の感染拡⼤へ繋がったと考えられる。

と、我が国で3月末からの流行は、海外からの帰国者経由によるものと結論付けている。

結局、我が国の「水際作戦」の失敗が、現在のウィルス拡散に発展したようだ。
  


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