PCR検査数をやみくもに増やす事に反対 -コロナウィルスとの闘い
May 16, 2020 – 6:39 pm一昨日(14日)、私の居住する地域(茨城県)は緊急事態宣言が解除された。ひとまず安心といっておきたい。
近所の巨大ホームセンターにでかけてみると、いつもの土曜日より人出が多いように感じた。ひょっとしたら、私と同じように、緊急事態宣言解除で、気が緩み、ひさしぶりに外出した人が多かったのではと想像した。
40万人の死者が予想されるなんて「脅し」ともとれる予測もあったが、幸いにも、我が国の感染者数、死者数とも低く抑えられている。今後、予想される第二波、第三波のウィルスの襲来が大事に至らないように望むばかりだ。
こうしたなかで気になるのがPCR検査数を増加せよとの主張だ。私は、この動き、奇異に感じる。反対だ。
PCR検査数を抜本的に増やす?:
気になったのが志位共産党委員長のコメント、緊急事態宣言の解除には「PCR検査を抜本的に増やすことが大前提だ。感染の実態がわからないのは非常に危うく、検査を大規模に展開する必要がある」(NHK政治マガジン)との見解。
さらには、東京女子医科大学では、「6月から授業を再開するための準備として、学生全員に登校前に新型コロナウィルスのPCR検査を5月16、17日に行う」(Yahooニュース(5/16))との報道。
第二波、第三波のウィルス襲来に備えるには、PCR検査を増やすことが重要との考えが主流のようだ。
しかし、これが大変な事態を引き起こすことも意識しなくてはならない。上記した東京女子医大などでは、全員のPCR検査を実施し、感染者と非感染者を識別しようとするという。うがった見方かもしれないが、志位共産党委員長の主張「検査を大規模に展開」との見解も、可能であれば国民全員の検査を実施するように主張するようにも受け取れる。
とんでもない話と思うのは、私だけか?
果たして、PCR検査数を増やすことに意味があるのだろうか?
PCR検査が陽性だと何がおきる?:
コロナウィルスの感染が疑われるような健康上の問題・症状があるとき、PCR検査を実施し、そうした症状がコロナウィルスに起因するものであるかどうかを検査し、それを緩和するための治療をすることは、当然、必要だ。
そして、感染が確認された患者からの二次感染の有無について把握するため、限られた集団に対するPCR検査を実施することも必要には違いない。集団感染を引き起こさないために必要だ。
二次感染の有無のため検査され陽性とされたが無症状であるとか、あるいはPCRで陽性とでたが擬陽性であった場合の取り扱いはどうなるのか。
患者・疑似症患者、無症状病原体保有者については、検疫法上の隔離が行われる(新型コロナウィルス感染症対策について)ことになる。
症状もないのに保菌者と判定されると、感染症対策の一環として、「隔離」される。自由が奪われるのである。
「検査を大規模に展開し、感染実態を知る」とか、授業再開に向けて保菌者をあぶり出すために検査を行うというようなことが許されるのだろうか?一種の恐怖政治ではないか、と思ったりする。
感染症法の枠組みのなか、PCR検査の実施は慎重でなくてはならない。
PCR検査の精度:
PCR検査についての解説を読むと、この検査、そんなに簡単なものではなさそうだ。
私の理解した範囲で、PCR検査の特徴を書き出したのが以下(素人のメモである。信頼性は低い):
- PCR検査実施に伴う感染・汚染
- 検体採取を行うためには相当のスキルが必要
- RNAはDNAに比べ不安定で検体の状態を適切に維持するのは簡単ではない
- 測定時の汚染、検体の識別を相当慎重に行わねばならない
私の理解では、精度を保ちながら大規模なPCR検査を実施するのは大変なことだ。
PCR検査数を増やせと主張するのは他人ごとだからでは?:
以上、いろいろ考えるのだが、最後に一言、
何の症状もないのに、自ら進んでPCR検査を希望しますか?
というところ。
いろいろあるけど、我が国、感染者数、そして死者数も抑制し、善戦しているのではないか、と言いたい。