気になったニュース: 京大・霊長類研究所が分割・解体される!
October 30, 2021 – 3:34 pm数日前の日経電子版(10月26日)に「京大霊長類研を事実上解体、名称変更へ 不正経理受け」という記事がでていた。
記事のリード文を以下転載:
京都大は26日、研究費の不正使用があった霊長類研究所(愛知県犬山市)について、一部の部門を別の組織に移管するなど大幅に規模を縮小し、組織名も変更すると発表した。世界の霊長類研究をリードしてきた著名な拠点が事実上解体されることになった。
12の部門とセンターで構成される霊長類研のうち、研究費や論文で不正があった2部門を含む3部門を廃止。他の4部門を京大の別の機関に移管する。残る5つの部門とセンターを来年4月から新組織「ヒト行動進化研究センター(仮称)」に移行する。
京大の霊長類研究所といえば、京大の看板のひとつともいえる研究所。最近、この研究所の元教授が2014~2019年に発表した4本の論文が捏造された事実が明らかにされたり、元所長の松沢哲郎特別教授がチンパンジー飼育施設工事を巡り研究費不正問題を起こし懲戒処分を受けるなど驚くような不祥事が発生していた。
この霊長類研究所、ウィキペディアによると日本学術会議による設立勧告などを経て1967年に京都大学霊長類研究所として設立されたものである。また、この霊長類研究所ともかかわりが深い(と思われる)人類学者・霊長類学者でゴリラ研究の第一人者として有名な山極壽一は、日本学術会議の前会長を務めている。
ある意味、日本のアカデミアを代表する研究所が解体されるというのは、かなり深刻な問題ではないかと思う。
こうした問題、マスコミにはあまり大きく扱われていないのは不思議だ。日本のアカデミアの閉鎖性を示す事件なのではと思うのは言い過ぎか?