セブン&アイHD鈴木会長の退任騒ぎには驚いた

April 11, 2016 – 12:50 am

このニュース、最近では最も大きなニュースのひとつじゃないかと思った。これに驚いたということだけでも書いておくことにした。

まず、ニュースの中身、4月8日のTBSラジオ森本毅郎スタンバイのニュースズームアップで遠藤さんが読んでいたのが次:

日本のコンビニの生みの親といわれるセブン&アイホールディングズの鈴木会長が退任すると発表しました。昨日の取締役会で傘下のセブンイレブンジャパンの井坂社長の退任案を提案しましたが、社外取締役等の反対対数で否決されたことを受けた判断です。
人事抗争で激震のセブン・・・

となっている。

東日本大地震のときのセブンイレブンの活躍: 
私がセブンイレブンがすごいと思ったのは東日本大地震のときの機動力だ。そのとき、コンビニの持つ利便性に感心した覚えがある。

近所のセブンでは、地震のために商品がもう売り物にならないということで全商品を100円均一で売っていた。大きなスーパーがもたもたしているときに、小回りの利く個人商店のコンビニがその実力を遺憾なく発揮した。まさにセブンイレブンは日本型の小売りシステムの代表格だった。日本の主要インフラとしての役割をも果たしている。

「日本の主要インフラ」としての役割をセブンイレブンを筆頭とするコンビニが果たしているわけだが、ここまでにコンビニのシステムを成長させたのが鈴木会長だ。彼がセブン&アイを、自ら、退任するというのだから、誰でも、何故?と思ってしまう。

このニュースの背景についてラジオの解説を聞いた。なるほどとは思ったが、その意外性に驚ろいてしまった。鈴木会長の退任表明の背景にはどうやらセブン&アイ内部のお家騒動があったらしいということを知ったからだ。あの「近代的な」システムが、古い体質の組織によく見られるお家騒動を起こしているというのだ。

セブン&アイという企業は、ITを駆使し近代的な装いをしてはいるものの、日本の土着システムの典型だったということのようだ。

TBSラジオの伊藤さんの解説がよくまとまっているように思った。以下、文字におこしておいた。(私の個人的な記録なのでラジオの解説とは大分異なっていることに注意してほしい)

 鈴木会長が退任させようとしたセブンイレブンの井坂社長(58歳)をひきあげたのは鈴木会長自身だった。鈴木会長としては、もう7年やったからいいだろう。次は66歳の副社長が古谷さんだ、と。そういう人事案をだした。
 で、鈴木さんとしてはこの案、通るだろうと、いままでイトーヨカ堂グループをまとめてきたのは俺だと。しかし、だしたけど 賛成が一票足らなかった。取締役15人なので8人が賛成しなきゃならないけれども賛成7、白票2となった。社外取締役だけでなく社内取締役からも自分の人事案に反対がでたと、これは自分としては不徳のいたすところだと、私はやめるという展開になった。
 つまり、鈴木さんに反旗を翻した人たちが沢山でてきたわけだ。なぜ反旗が翻されたか。おそらく、この人事案そのものが無理筋だったように考えられる。つまり、58歳の、5期連続で最高益を上げ、グループ全体の収益を支えていた井坂さんを降ろして、何故8歳も年上の古谷さんを社長にするのか、ということでしょう。おそらく、井坂さんが社長で58歳、古谷さんが66歳で副社長ということは鈴木さんとのつながりで古谷さんが副社長でいるんだろうなという推測ができます。社内では、そういうことは言えないだろうという意見が強かったし、社外取締役でも、それはおかしいということになったんだろう。
 今回の騒ぎには、いろいろな登場人物がいます。ヘッジファンドのサードポイント。5%の株式を持っているのであるが、これが鈴木さんの案に反対した。
 もうひとつ重要な登場人物は、伊藤雅俊さんという創業家の血をひいている人。91歳で、まだグループの10%の株式を持っている。この人は、いままで鈴木さんが優秀だったから経営をまかしてきた。全権委任というような感じだった。ところが今回は「ノー」ということになった。
 そこにからんでくるのが鈴木さんの次男であられる康弘さんという人、50歳で取締役でいるんですけど、どうも見ていると、伊藤さんの気持ちからすればですけども、鈴木さんは、自分が中途で入れてやって、優秀だから全権をまかしていたんだけれども、番頭の立場でいて、世襲的にね、グループの経営に携わろうとしているのではないかとの疑念を抱いたのではないか。もしかしたら、創業家が鈴木家であるかのような印象を与える動きではないかと、考えたのではないか。
 伊藤さんのご長男は、いまは次男の方がグループのなかにいるのだが、鈴木さんと対立してやめた、という話もある。全権を任せたけれども乗っ取るのではないかと、こういうふうに考えたと。忖度するしかないですけどね。
 鈴木さんがセブンイレブンをここまでのばした、グループを伸ばした力は認めるけども、社内からも創業家からも「ノー」を突き付けられて、ま、鈴木さんは感受性が高い人なので、ほんなら辞めるといった。そういった展開だと思います。
 鈴木さんはものすごく実力もあるし、ぼくも本を何冊も読ませてもらって素晴らしい感性の方だと思っていたけども、やはり、トップに立つ期間が長くなると、そこに何らかの過信、驕り、というものがでてきた。そのため、お年もあるかもしれないけども、現場との感覚もずれてきて、現場サイドでは、鈴木さんは、偉いのはわかっているのだけども、そこは違うのではないですか、というのが高まってきて、それが人事案で、それはないよねということになってきたんだと思える。
 なかなか鈴木さんに面と向かって、異を唱えるというのは、難しかっただろうけど、こういう形で異を唱えざるをえなくなった。
 今後の問題点なんですけども、セブンイレブン、日本の小売業を形作ってきた会社ではないですか、だからポイントはですね。創業家がノーをだして、鈴木さんが辞めるということになると、鈴木さんのご次男のかた康弘さんが51歳で取締役をやっているのですが、その方がどうなるのかということと、伊藤さんのご次男がね、まだ幹部でいるので、もしかしたら、なんというのか、大政奉還みたいな形でね、どっかの会社でもありましたけど、そういうかたちになるのか、いずれにしろ、当面ガタガタしますよこれ、
 5月に役員会があるのかな、そのときに、きめなきゃいけないので、1か月ちょっとセブンイレブンがどうなるんだと、あセブン&アイどうなってゆくんだという話になっていくんじゃないかと、思うのですけどね。


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