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福島第一事故による放射線被曝をどう考えればよいか(その9)

Tuesday, December 6th, 2011

高木仁三郎著作集の第2巻に右のような図が載せられている。この図は、チェルノブィリ事故後に西ドイツの雑誌に「西ドイツの子供の新生児死亡数」として掲載されたものだという。随分前に刊行された資料に示されたものではあるが、福島の事故を経験した今ながめると、かなり不気味なデータではないかと思ってしまう。

さて、この図から我々は何を読み取るべきなのか?ここに示されているデータをどのように解釈すればいいのか? (続きを読む)



福島第一事故による放射線被曝をどう考えればよいか(その8)

Friday, November 25th, 2011

 環境中の放射性物質からの被曝をさける方策のひとつとして、個々人が「食べものに気をつける」ということがあげられる。「食べものに気をつける」という点で興味深いデータが、高木仁三郎著作集の第2巻に収められた「食卓にのぼった死の灰」にあった。右図に示すものだ。

 この図は、チェルノブィリ事故の際に、ドイツ・ハンブルクで人体中のセシウム(134+137)を「食物に気をつかわなかった人」と「食物に気をつけた人」のグループそれぞれについて人体中の放射能の時間変化を示したものだという。 (続きを読む)



武谷三男編 「原子力発電」を読んでみた

Thursday, November 24th, 2011

 放射線への被曝を安全か危険かを判断するうえで、法的な基準値あるいは「許容線量」が重要な役割をおっている。この基準値、「許容線量」がどのように考えられ、設定されたかということについては、なかなか難しい問題が含まれている。特に、健康影響がすぐには現われない低線量域の被曝についてどのように考えるべきかは簡単ではない。

 最近、近所の公立図書館で武谷三男編の「原子力発電」を見つけ、借りてきた。このなかに、許容線量の歴史的な変化についての資料があった。なるほどと思わせるものだった。メモしておいた。 (続きを読む)



松井英介著「見えない恐怖 放射線内部被曝」を読んでみた

Sunday, October 16th, 2011

福島第一の事故により大量の放射性物質が環境中に放出された。以降、放射線による被曝とその健康影響について議論が盛んになった。なかでも、放射性物質に汚染された空気、水、食品などを摂取することによる被曝、「内部被曝」について多く議論されているようだ。

私自身の放射線との付き合いは、結構、長い。そうした経験に照らしてみると、3.11事故以降目にする「内部被曝」についての議論は、私にとって、疑問に思うことが多々ある。ここらで、私なりに、整理しておく必要を感じている。 (続きを読む)



福島第一事故による放射線被曝をどう考えればいいか(その7)

Friday, August 5th, 2011

 原子力事故による放射線被曝を考えるうえで、事故発生直後の被曝のフェーズと、これに続く慢性的な放射能汚染による放射線被曝を受けるフェーズとを分けて考えることが必要だ。ここでは、後者の慢性的な放射線汚染による被曝について、事故発生直後に、私が、考えたことをメモしておいた。 (続きを読む)