今シーズンの超過死亡数はほぼ閾値!-コロナウィルスとの闘い

May 26, 2020 – 12:12 pm

日経電子版(5・2422:00 5/25 2:55更新)の「コロナ感染死、把握遅れも 「超過死亡」200人以上か -東京23区2~3月 必要な統計公表遅く、対策左右も」とタイトルされた記事、国立感染研の公表データについて更新されたものでなく速報値を使っている。 5月24日改訂版のデータの超過死亡は、ほぼ閾値上にある。インフル流行と同様なものと考えてもよさそう。日経の勇み足かな(?)

国立感染症研究所のデータ
日経記事に書かれているように、国立感染症研究所では、インフルエンザ流行シーズン毎に、肺炎などの死亡数を「インフルエンザ関連死亡迅速把握システム」に基づき、公表している。今シーズンのデータは、「インフルエンザ関連死亡迅速把握システムによる2019/20シーズン21大都市インフルエンザ・肺炎死亡報告」で見ることができる。2020年5月24日の日付で公表されている東京都のインフルエンザ・肺炎の死亡数については下図のようになっている。

同じサイトで、日付は定かではないが数週間前に公表されていたデータは下図(私のメモ用に私的に保存していたもの)は下図:

日経の掲載していた図は、現在、国立感染症研究所のサイトに公表されているものではなく、旧い版のもの。念のため、日経の図も以下にコピーを掲載:

なぜ、こんな混乱が?
4月末のFinantial Timesに 「Global coronavirus death toll could be 60% higher than reported」との記事がでいた。このFTの記事、のリード文は以下:

The death toll from coronavirus may be almost 60 per cent higher than reported in official counts, according to an FT analysis of overall fatalities during the pandemic in 14 countries.

Mortality statistics show 122,000 deaths in excess of normal levels across these locations, considerably higher than the 77,000 official Covid-19 deaths reported for the same places and time periods.

このFTの記事、注目に値するものと思っていた。

日本はどうなんだ?と思うのは、当然だ。そこで日経記者も日本の状況を記事に思うのは自然。この記事を書いた時点で国立感染症研究所のサイトに掲載されていた「速報値」を用いて、FT記事と同じトーンで記事を書いた(?)と推察。

日経記事で主張されているように、こうした大切なデータについては、迅速な集計と公表が必要というのは、良い指摘とは思うのだが。
  


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