黒木登志夫著 「知的文章とプレゼンテーション」を読んでみた
March 1, 2021 – 10:33 pmこうしてブログを書いていて、いつも良い文章を書くスキルを身に着けたいと思う。
前々回、「新型コロナの科学」を読んだことを書いたが、新型コロナウィルスという難しい内容について、読みやすく、そして分かり易く解説されているのに感心した。
この「新型コロナの科学」の著者、黒木登志夫の著作のなかに「知的文章とプレゼンテーション」があることを知り、良い文章の書き方のヒントがあるかもしれない、と思い。早速、購入、読んでみた。
本書「知的文章とプレゼンテーション」には、良い文章を書くための手がかりらしきものが多く書かれている。その夫々が、参考にはなるが、正直なところ、自分なりのスタイルを確立するにはなかなか道険しというのが実感だった。
以下、毎度のことであるが、本書を読んだという記録だけでも残しておこうということで、気づいたことをメモしておいた。
知的な文章を、「高度な内容」を含む「自分の考えを間違いなく相手に伝えるという意味で実用的な文章」と定義する。
そのうえで、「大学生たちの日本語表現力は、・・自分の考えを伝える文章技法を身に着けていない、読書離れが深刻で、書く力を下支えする読解力も弱い」 「暗記による知識と選択肢による問題で育った学生たちには、自分の考えを文章にまとめるという、もっとも基本的な訓練ができていない」という問題意識にたって議論している。
本書の構成は以下
第1章 理系、文系の区別はない
第2章 日本語は非論理的か
第3章 知的三原則《簡潔・明解・論理的≫
第4章 説得力のあるドキュメントを書く
第5章 審査する、評価する、推薦する
第6章 人を惹きつけるプレゼンテーション
第7章 英語の世紀を生きる
第8章 コンピュータを使いこなす
なるほどと思ったところ:
日本語と英語の違いを議論するなかで、なるほどと思った部分があった。以下だ。
関係代名詞のない日本語で、・・文章を分かりやすく書くときには、二つの方法がある。
- 日本語のルールにしたがい、形容詞節、形容詞句をすべて名詞の前に置くときには、次の二点を守る。
a:長い修飾語を先に置く、
b:節、句の間に読点を入れる。- 修飾する文(節)が長いときには、文を二つに分けたほうがよい。
一般に、修飾する形容詞節はできるだけ短くしなければならない。
(著者の経験上、形容詞節が、14文字程度であれば、混乱することはないとされる)(以上は、p.31の部分)
全体を通じて思ったこと、自分なりの文章スタイルを持つため、数多く書き、経験を積むといったところ。月並みだが、これが私の読後感。