厚生年金基金の廃止によってどんな影響?

October 30, 2012 – 10:54 am

日経(28日付け朝刊)1面に「厚年基金 10年で廃止 損失、保険料で穴埋め」なる記事がでていた。AIJ投資顧問による年金消失問題を契機に、厚生年金基金制度の抱えている問題があからさまになったわけだが、結局、厚生労働省は基金制度を廃止し、基金の積み立て不足額を厚生年金保険料で穴埋めすることになるようだ。

厚生年金基金制度の廃止により、我々、年金生活者がどのような影響を受けるのか?というのが、私にとって、最も関心が高いことだ。この新聞記事のなかで、基金の現状と制度廃止時の影響について書かれている部分をメモしておいた。

厚生年金基金制度の現状について、解説記事では、次のようになっている:

株式市場の低迷が長引き、財政悪化が深刻な問題になっている。母体企業の大半は構造不況業種で、積み立て不足を穴埋めする体力に乏しい。運用で一発逆転を狙った基金が年金消失問題を起こしたAIJ投資顧問の被害にあった。現在、半数の基金が国から預かっている資産で損失を抱える代行割れの状況にある。

この解説では基金の制度が困難を抱えるにいたった原因は、「株式市場の低迷が長引き」となっているが、本ブログに以前書いたように、「この『厚生年金基金』の運営がどうもきちんとされておらず、投資のプロとはとてもいえない人々によって 資金が運用されている」ことも更に問題を大きくしてしまったようだ。

株式市場の低迷といった投資環境の悪いなかで、投資の素人が運用すれば、行き詰まるというのは当然のなりゆきだ。

年金基金制度が廃止されるとどうなるのか? 日経の記事によると、次のようになるようだ:

 厚年基金が解散すると、現役の加入者も受給者も公的年金に上乗せ給付している企業年金が受け取れなくなる。基金が積み立て不足を払った後、財産が残っていれば、加入者と受給者の全員に分配される。
 ・・・厚生年金の解散後は確定給付企業年金や確定拠出企業年金に移行する選択肢があるが、中小企業の受け皿となるような新たな年金制度の整備も課題となる。

どうも、基金が廃止されると、個々の基金の独自部分(公的年金の上乗せ給付部分)は、「確定給付企業年金」あるいは「確定拠出企業年金」という枠組みで給付されることになるように理解した。しかし、だ。これも解散時に基金に財産が残っていればという前提だ。

私が世話になっている年金基金はどうなっているのだろう?詳細に調べておかねばなんて気分になってくる。

どう転んでも先行き暗いな年金制度、ってところか。


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