やはり電気自動車の時代はやってくるのかな?

January 31, 2009 – 4:07 pm

半年前、「電気自動車の時代は近い?」という記事を書いた。最近の動き、その時より、ずっと電気自動車実用化への道が加速されてきているようだ。1月13日付けの日経(朝刊)には、北米国際自動車ショーで、開発に慎重だったトヨタが電気自動車の試作車を初公開、12年までに米市場で量産に乗り出すことが報道されている。いよいよ、自動車メーカー各社、電気自動車の開発・生産に本気に取り組むことになったのでは、と思わせる。新聞記事を整理していたら、昨年末の日経に、電気自動車についての技術情報がでていた。これをメモするかたわら、電気自動車の現状を考えてみた。

ガソリン価格の動きと電気自動車: 以前の記事で、ガソリン価格が高騰し、電気自動車のニュースが目に付くようになった、と書いた。あれから半年、ガソリン価格レギュラーで90円/Lまで下がった。全く、変化は早い。では、ガソリンが安くなった今、電気自動車への動きにかげりがでてきたのか?どうも、電気自動車への動きは、逆に、強くなってきているようだ。金融危機をこうした新しい技術で乗り切ろうというところだと理解する。

CO2問題を別にしても、ここ数年のガソリン価格の不安定さを見ると、もっと安定したエネルギー源を頼りにすべきというのは当然の流れと思う。

電気自動車のエネルギー効率: 昨年の暮れの日経(12月14日付朝刊)に電気自動車とガソリン車のエネルギー効率について解説記事が出ていた。記事のポイントは地球温暖化とのからみで「電気自動車はどこまで環境にやさしい」のかということであった。地球温暖化の議論にのるかどうかは別にして、電気自動車がエネルギー効率という観点で考えると優位になりそうだ。

この解説記事に示されていた電気自動車のエネルギー効率について示されているのが下図:

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この図は電気自動車を動かす電気はすべて石油から作ると仮定し総合効率がどのようになるか試算したものだ。電気自動車が35%に対しガソリン車が8.6%と、これを見る限り、電気自動車が4倍も効率が良いようだ。

超えなければならない課題: エネルギー効率だけからみると確かに電気自動車が優位だ。しかし、まだまだ超えなければならない課題はある。まず当然のことながら価格。市場に最も早くでてくるという三菱自動車のiMevで「補助金込み」で三百万円以下になるという。まだまだ高いが、量産体制が整えられれば、我々でも手のでる価格になるのかもしれない。価格にも関連するが、もうひとつの問題は、車に搭載することになるアルカリイオン電池の安定性そして寿命だろう。このあたりの話は、よく分からない。iMevが公用車で実際に使われるようになって数年経てばかなり分かってくるに違いない。注目してみてみよう。

レアアースの安定的な供給が鍵: 私は、この解説記事で始めて知ったことだが、技術的にもっと重要なことは、どうやらレアアース、そのなかでもネオジウムとディスプロシウムが重要らしい。電気自動車で使う高性能な永久磁石(ネオジウム磁石)を製造するために必要だという。こうしたレアアース、特にネオジウムは約93%が中国産。これを解決しなければ電気自動車の本格的な普及は難しいということらしい。なんとか新しい技術で、このあたりを解決して欲しいものだ。


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