東京オリンピック開催前に最低限必要なインフラの整備

September 13, 2013 – 2:23 pm

2020年オリンピックの東京招致が決定した。
本当に喜ばしいことだ。
招致のためのIOC総会での滝川クリステルのプレゼンテーションで「オモテナシ」精神といった日本文化のすばらしさ、「安心、安全」などが宣伝された。それはそれとして良いことなのかもしれない。しかし、私にはどうもピンとこない。
オリンピックを開催するにあたってもっと大切なことがあるのでは、と思ったからだ。

最低限整備の必要なインフラ: 海外から観光客を迎えるには、「オモテナシ」よりもっと基本的なこと、言い換えれば、オリンピック開催にあたって最低限整備しなければならないインフラがあるのではないか、と思うのだ。

特に、つぎの2点の整備が必要なのではないか、と思う。

  • WiFiへのアクセスポイントの拡充と整備
  • 少額決済方法ならびに外国通貨の換金方法の簡略化と整備

WiFiの拡充・整備: 私の娘、ここ一カ月間、ヨーロッパ/ロンドンに滞在している。娘にとって、ひとりで「異郷の地」に滞在するのは今回が初めてだ。娘がどう思っているかは別にして、親としては、心配しはじめればきりがない。ただ、私が30数年前にヨーロッパに居住していた時代と大きな違いがある。インターネット経由での頻繁な情報のやりとりだ。

スマホのアプリLineなどを使うと、インターネット回線を活用することにより日本とヨーロッパの間であっても頻繁に情報をやりとりすることが可能だ。我々の時代には想像もできなかったことだ。ただ、これを使うには、滞在先でWiFiが利用できなくてはならない。

今、ロンドンに滞在している娘とはWiFiを活用することで、実効的に「無料」で頻繁な情報のやりとりをしている。ロンドンでは、どうもかなり広範囲でWiFiが活用できる状態にあるようだ。定かではないが、ひょっとしたらロンドンオリンピックの開催に合わせてフリーでWiFiを利用するための環境が整えられたのではないか、と想像する。

東京においては、フリーWiFi整備はまだまだというのが私の印象だ。東京オリンピック開催決定を契機として、WiFiの拡充・整備が進むことを期待している。ただ、これが普及すると、ソフトバンクとかAUなどキャリアが困ってしまうのかな?なんて つまんないことを考えてしまう。

少額決済と外国通貨への換金: わが国でも、日常的な少額決済にクレジットカードの利用が一般的になってきた。最近では、プリペードカードの利用とか、銀行の普通口座から直接的に支払い金額をデビットするデビットカードの使用なども行われるようになってきた。

数年前まで、少額の決済をするのには、現金が主だったことを考えると、大きな変化だ。

さて、日本国内での少額決済においては、さまざまな仕組みが整えられてきていることは理解できるが、海外に一歩でると、あるいは海外から我が国に訪問する側から、そのあたりをみるとどうなのだろう。日本の仕組み、国際的な標準と合致しているのだろうか?

少額決済の話とは直接関係しないのかもしれないが、前回書いたATMによる現金の引き出しについてみると、我が国では、郵便貯金とかセブン銀行のATMではPlusマークなどのついたカードを使うことのできるようになっているが、まだまだ国際的なネットワークに対応したATMを設置する金融機関の絶対数が少ないという。

私の娘のロンドン滞在の経験からいうと、ロンドンでは、新生銀行のキャッシュカードにより日本円の普通預金から現地通貨を引き出すことに何の困難もないようだ。

我が国においても、ロンドンにみられるような少額決済の方法を整備・拡充し、国際標準に合致させるよう努力することが、かなり重要なことなのではないか、なんて思ったりした。

本当に海外からの訪問者に対する「オモテナシ」するには、このあたりのシステム、インフラの整備・拡張が大切なのではないか、と思った次第。


Post a Comment