「ジョブ型」社会と「メンバーシップ型」社会

March 16, 2015 – 2:37 pm

日経(3月8日朝刊)「今を読み解く」に興味深い解説記事があった。
児美川孝一郎・法政大学教授による解説「就活は社会映す鏡 ‐日本的「働き方」再考を」で、新卒の就職活動(就活)についての議論が紹介されている。
このうち濱口桂一郎著「若者と労働」を紹介している部分が印象的であった。以下メモしておいた。

濱口桂一郎「若者と労働(中公新書ラクレ・13年)の紹介部分は以下:

日本的雇用の特質を、欧米のような「就職(ジョブ)型」社会と日本の「入社(メンバーシップ)型」社会という卓抜な対比に基づいて説明している。同時に、近年では就活を通じた「入社」システムが縮小しはじめ、排除される若年層を構造的に生み出していると指摘し、若年雇用問題の解決のためには、正社員でも非正規雇用でもない第三の雇用類型である「ジョブ型正社員」創出することが求められると提言する。

日経の解説では、昨今の就活の過熱の原因を「学生が新卒就職を経て、何とか日本的雇用の世界に入り込むことを目指すから」とし、これからの脱却は、引用のとおり「第三の雇用類型である『ジョブ型正社員』創出」にあると考えるようだ。

「ジョブ型正社員」とは何?: 果たして、「ジョブ型正社員」の創出が問題の解決をもたらすものか?なんとも、この「ジョブ型正社員」と呼ばれるものが、どのような雇用を指しているかが私には理解できない。「ジョブ型」でくくられる雇用関係は、日本では、「契約社員」と呼ばれるものを指しているのだろうか?だとすると、「契約社員」を正社員化する環境を整えることが提言されているのか?よく分からない。

それはそれとして、欧米の雇用に対し、日本のそれを「メンバーシップ型」と呼ぶのは実に的を得ているように思うのだが・・。


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