気になったニュース: 田中俊一・元原子力規制委委員長の反省?
November 12, 2025 – 9:44 am日経電子版(11/12配信)に「福島原発事故『合理的判断欠いた』 田中俊一・元原子力規制委委員長 MESSAGE 戦後80年 東日本大震災」とタイトルされた記事で、田中俊一元委員長のインタビュー記事がでている。
この記事のリード文は以下:
原子力発電所に対する「安全神話」は、2011年3月の東京電力福島第1原発事故によって崩壊した。「想定外」の被害はどうすれば最小限に抑えることができたのか。原子力規制委員会の初代委員長を務めた田中俊一氏は、科学者が政治に迎合せず正しい知識を発信することの重要性を説く。(聞き手は榎本行浩)
この記事のなかで、多少、意外と感じた部分がある。以下の部分:
――事故後の対応や避難指示のあり方を巡る反省点は。
「避難指示を巡っては、健康被害が出るレベルではなかったにもかかわらず除染しなければ解除しないと判断した。結果的に被災者の避難生活は長引き、多くの災害関連死を招いた。科学的な知識や合理的な判断が欠如し、過剰な恐怖心が広がったことは、今なお復興の妨げになっている」
この部分を読む限り、大規模な除染の正当性に疑問を感じているように感じるが、そうなのか?
当時の除染土が、今に至っても、うず高く積み上げられている風景が、福島原発事故の大きさ、悲惨さの象徴のように紹介される。そして、この除染土を福島県外に運びだすべしとされているようだ。私の感覚からいったら、余りにも情緒的な景色・対応ではないかと思ってしまう。
田中俊一氏自身が、事故後、もくもくと除染作業を行う姿が紹介された記事を読んだことがある。
その除染に関わって、「健康被害が出るレベルではなかったにもかかわらず除染しなければ(避難指示を)解除しないと判断」したことが誤りであったように述懐されている。これは、元委員長の個人的な見解・感想といったものだろうか?良くわからない。判断としてオーバーリアクションがあったということなのか?「今なお復興の妨げになっている」との発言は、自らの「判断」の過ちを指しているのだろうか?大変な職責をになった元委員長に気の毒な感じも抱く。