Archive for the ‘身の回り・時事・雑感他’ Category



日本の「歩留まり(良品率)の高さ」誇れるのかな!

Sunday, March 3rd, 2024

TSMC創業者である張忠謀(モリス・チャン)氏が熊本工場の開所式のあいさつでソニー創業者盛田昭夫との交流を話題にしたという話が、数日前の日経の電子版「TSMC創業者、熊本で明かしたソニー盛田昭夫氏との秘話」で紹介されていた。

この日経記事のなかに、つぎのようなエピソードが紹介されている:

盛田氏はこのとき、張氏にこんな予言を告げた。「あなたは日本で達成する歩留まり(良品)率に驚くだろう」。実際に張氏のもとでTIが立ち上げた日本の工場は、米国工場を大きく上回る成果を上げた。

「(仕事の)文化や人材の点で、日本と台湾は似たところがある」(張氏)。日本での経験は、張氏が1987年に台湾で製造特化のTSMCを立ち上げるきっかけともなった。

このときとは、張氏が米半導体大手テキサス・インスツルメンツ(TI)のIC(集積回路)事業幹部として初めて訪日したときのことのようだ。

これを読んで、当時の日本の製造業の強さの源泉がどこにあったのかを知ったような気がした。
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運転免許の自主返納は減少傾向だそうだ!

Saturday, March 2nd, 2024

日経電子版(3/2 配信)に「23年の免許返納は38万件 4年連続減少、警察庁」という記事がでていた。

この記事のリード文を以下転載:

警察庁は1日、2023年に運転免許証が自主返納された件数は38万2957件だったと発表した。前年から6万5519件減り、4年連続の減少となった。75歳以上が返納したケースは、全体の約68%を占める26万1569件だった。

私自身は、昨年、75歳になったところ。免許証の更新をしたばかりだ。更新時には、「認知機能検査/高齢者講習」を受けた。75歳以上の後期高齢者が一定の違反をすると、運転免許更新時に「運転技能検査」が行われ、更新期間満了時までにこれに合格しないと、免許証を更新させないという仕組みになっている。免許更新時には、高齢者の運転は、社会的には歓迎されないというのを感じさせられる。

高齢者は、こういう「仕打ち」があっても運転免許を返納しないという傾向があるようだ。
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気になったニュース: AppleがEV開発を中止か・・

Thursday, February 29th, 2024

日経電子版(2/28配信)で「AppleがEV開発中止か、生成AIに経営資源集中 米報道」とタイトルされたとの記事を読んだ。

この記事、EVをどう見るかという点で興味深い。

日経記事のリード文を以下に掲げる:

米アップルが電気自動車(EV)の開発を中止する方針を固めたことが27日、わかった。同社幹部が開発を担う社員らに対して伝えたという。社外には公表していない。アップルは生成AI(人工知能)の分野に開発チームなど経営資源を集中するとみられている。

また、記事のなかで「EV開発チームのレイオフ(一時解雇)も計画しているもよう」と報じられている。穏やかではない。
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素人的経済観測: 祝 日経平均が史上最高値 39,098.68円(2/22終値)

Thursday, February 22nd, 2024


日経平均が1989年12月29日につけた最高値(30,8957円)を超え、今日の終値で39,098.68円となった。

今日の株価の動きを右図に掲げておいた。

NVIDIAの決算がよかったので、今日こそ最高値に到達するとは思っていたが、午後の取引が始まると同時に「簡単に」最高値を更新した。

その後、少し下がる局面もあったが、午後2時48分には今日の高値39,156.97円をつけた。

下図は、日本経済が1949年の戦後株式取引再開から今日に至るまでの日経株価の推移だ。日経電子版の記事(「日経平均、取引時間中の最高値上回る 一時3万9000円台」)から転載しておいた。私が生まれたのが1948年だから1歳(正確には0歳と7か月かな)の時に株式取引が再開された。それから74年間の記録だ。感慨深い。



子育て支援の財源は消費税増税とすべきではないのかな

Thursday, February 22nd, 2024

日経電子版(2/13配信)に「保険料に税の代役はできない 増税議論逃げる政治の怠慢」と題する解説記事(中外時評)がでていた。児童手当の拡充などの育児支援策の財源を保険料に上乗せし徴収する政府案を批判したものだ。

この解説記事で述べられていることには頷くところが多い。岸田政権に対しては様々な批判がされているが、このあたりが最もひどいところではないかと思っている。国のしくみを根本から破壊するような話ではないかと思ってしまう。

記事中に、社会保険というのは「病気や長寿、要介護といった予期せぬ事態に備える」もので、「加入する集団のなかで負担と給付の対応関係が本来の姿」であり、「支援金制度はこの関係がかなり薄い」とされる。社会保険料の特質として、「保険料には裕福な人の負担が軽い特性」があり、「高額の報酬を得ている人ほど収入に対する負担割合は小さくなる」ことを指摘している。

そして、子育て支援を社会保険で賄なおうとすることは、「(社会保険が)高所得者と軽減措置がある低所得者の負担が軽くなる一方、中間所得層の負担が相対的に重くなり、支援を必要とする子育て世帯に最も重い負担を求める」ことになってしまう。全世代で担うべき子育て支援を、子育てを担う世代に最も重い負担を求めるというのは本末転倒だ。

医療・介護・年金の保険料率(健保連の平均料率、労使負担分)は30%にも迫るという。「高齢者医療への拠出金が増え続け、世代間で負担と給付のバランスはますます崩れる」という現状だ(日経電子版4/2「社会保険料率30%時代 過去最高、現役の負担余地少なく」)。

後期高齢者の私としては、社会保険により過大な恩恵を受けている。世代間の負担と給付のバランスが崩れていることについては耳が痛い。

一方、わが国の家計の金融資産残高は2000兆円を超え、そのうち家計の預貯金は1000兆円になるという。世帯主年齢別の預貯金保有額は70歳以上は350兆円、60~69歳は260兆円超となり、60歳以上で600兆円を上回る(21年時点)という話もある。

どうすればいいのか?

突然、結論じみた話になってしまうが、老人の医療費負担を増やす(具体的には、一律、窓口3割負担)こと。そして、消費税率を上げることによる財源を確保することが良いと考える。

消費税増税は抵抗が大きいとは思うが、最も、平等な税負担の形だと思う。子育て支援の財源は、これを中心に置くことが適切だと思うところだ。