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原子力安全の論理

Saturday, August 3rd, 2013

JCO事故が発生した時の原子力安全委員会の委員長は佐藤一男氏であった。この佐藤氏の著書に「原子力安全の論理」がある。日刊工業新聞社から1984年に「あなたにとって原子力とは――原子力安全の論理」が、そして2005年にはこの改訂版ということで「改訂 原子力安全の論理」が出版されている。

この書、我が国の原子力安全規制(少なくとも2005年に出版された時点で)の考え方を解説したものとしては、最もまとまったものだ。私の書棚にも1984年版が「積んで」ある。そして、改訂版は4年ほど前に近所の図書館から貸出して読んだ記憶がある。なるほど、と思いながら読ませて頂いた。

最近、福島原発事故を経験した目であらためてこの本を読み直してみた。いろいろなことを考えさせられた。そのすべてを書くというのは容易ではない。とりあえず、読んだという事実だけでも記録しておくことにし、多少のメモを残しておいた。 (続きを読む)



嘉田滋賀県知事の「びわこ宣言」を見て・・

Thursday, November 29th, 2012

衆議院選挙を控え「脱原発」が重要な争点のひとつとして注目されている。滋賀県の嘉田由紀子知事による「日本未来の党」の立ち上げと、それに合流しようとする弱小政党の動きは、改めて、その流れを再確認させるものになったようだ。
この嘉田知事の会見報道を見ながら、個人的なことになってしまうが、多少思いだすことがあった。メモしておいた。 (続きを読む)



児玉龍彦著「内部被曝の真実」を読んで見た

Wednesday, October 24th, 2012

児玉龍彦東京大学教授(アイソトープ総合センターセンター長)が、福島第一事故の3ヶ月後、国会の参考人として、事故により環境中に放出された放射性物質による健康影響についての意見説明を行った。この意見説明、参考人、児玉教授の「エモーショナルな」説明もあいまって、マスコミでも大きく取上げられた。

本書は、そのときの意見説明、質疑応答を収録するとともに、その背景にある児玉教授の主張をサポートする諸事実をまとめたものだ。

近所の公立図書館に展示されているのを見つけ、今更とは思ったのだが、時間をおいた今、冷静な目で、何が議論されたのか、読み直してみることにした。 (続きを読む)



福島第一事故は「手順書」に誤りがあったから?!

Wednesday, September 12th, 2012

朝日(9月7日付け)の「私の視点」に豊田正敏・東電元副社長による「原発事故対策 実証実験で手順書の確認を」とタイトルされた(投稿?)記事がでている。この記事の主要な論点・提案は、「(過酷事故対応の)手順書を実際の原子炉で実証試験」できるよう法令の改正を行うべきというものだ。
過酷事故対応の手順を実炉で実証しようなんてトンデモない提案とは思うが、それはそれとして、福島第一事故が「手順書」さえきちんとしていれば防げたとも思える主張に興味を持った。
メモしておいた。 (続きを読む)



原発の寿命40年をどう考える?

Wednesday, June 13th, 2012

日経朝刊(6月11日付)に、「原発40年廃炉 合意」とタイトルした記事がでていた。この記事のリード文は以下:

民主、自民、公明3党は12日、原子力安全行政を一元的に担う新組織をめぐる法案の修正協議で、原子力発電所を運転から原則40年で廃炉にするとの関連法案の規定を維持する方向で合意した。自民党が廃炉規定の法案からの削除を求めて調整が難航していた。3党は新組織の形態や緊急時の首相の権限では大筋で合意しており、今国会の法案成立にメドがたった。

この記事を読んで、原発の寿命をどうするかというのは、原子力の未来をどう考えるかに依存する重要なイッシューではないかと思った。考えたことをメモしておいた。 (続きを読む)