Scientific Linux 6 のインストール
May 2, 2011 – 3:39 pmScientific Linux 6 (SL6)をインストールし、KVMによる仮想化などを試してみた。
RHEL(Red Hat Enterprise Linux)-6の正式版が昨年11月にリリースされ、ほぼ半年が経つが、未だ従来からサーバー用OSとして使用してきたCentOSの対応版がでてこない。そうこうするうちに、RHELのクローンであるScientfic Linuxが3月にリリースされた。CentOSからSLへの乗り換えを視野に、SL6を試してみた。
SL6のインストール、OS導入直後におこなったnVIDEAドライバのインストール、KVMによるWindows-XPのVMの作成などについてメモしておいた。
SL(Scientfic Linux) 6選択のいきさつ: そろそろ「自宅サーバー」を更新しなければと思っていた。更新するにあたっては、OSは新しくでると期待していたCentOS6を使おうと考えていた。冒頭に書いたように、ほぼ半年たった現在にいたっても、CentOSの新バージョンがリリースされる気配がない。それではということで、同じくRHELのクローンであるScientific Linuxへの乗り換えを検討することにした。
Scientific Linux 6を動作させる物理サーバーのスペックは、「PCの組み立て:Pentium3からCore i5に」にメモしておいたものに、メモリは2GBから8GBに増強、HDは新たに1TB(7200RPM, 32MB cash, SATA 23GBb/s)を導入している。
メモリ、HDの増強は、KVMを用いた仮想マシンに本格的に取り込み、新たな展開を考えたい、といったところだ。
SL6インストールの手順: SL6のインストールは、Scientific Linuxのダウンロードサイトからiso ファイルをダウンロードし、DVDメディアを作成し、これをもちいた。
なお、このダウンロードサイトでは、SL6のインストール用ファイルが2種類置かれている。今回のインストール作業では、下記(2枚組み)を用いた:
SL-60-x86_64-2011-03-03-Everything-DVD1.iso
SL-60-x86_64-2011-03-03-Everything-DVD2.iso
OSのインストールは、作成したDVDメディアをドライブにいれPCを起動することにより開始され,PC画面上に示されるインストール手順に従えば容易に進めることができる。このあたり、基本的にはCentOS をインストールした際と大きな違いはない。
SL6インストールの対象としたタイプの選択ではDesktopを選択した。これは、インストールに続く各種設定作業をGUIを用いたものとすることを意図した。また、KVMを使う仮想化を行うため、インストール時にOSのカスタマイズで、仮想化パッケージ(virt-manager, libvirt, virt-viewer)を取り込んでおいた。
nVIDIAドライバのインストール: 以前行ったCentOS上でnVIDIAのドライバのインストールについて書いた(ここ)。今回のインストール作業においても、SL6のインストール後、これをインストールすることにしたが、前回とは異なる方法をもちいた。
CentOS上でnVIDiAをインストールした際には、Linuxのカーネルが更新されるたびに、このドライバのインストールを行う必要があり、OSバージョン更新のたびに煩雑な作業が発生していた。今回は、elrepoで提供されているkmod-nvidiaをインストールし、これに変えた。
kmod-nvidiaインストール時のログは以下のとおり:
[root@]# rpm --import http://elrepo.org/RPM-GPG-KEY-elrepo.org [root@]# rpm -Uvh http://elrepo.org/elrepo-release-6-3.el6.elrepo.noarch.rpm Retrieving http://elrepo.org/elrepo-release-6-3.el6.elrepo.noarch.rpm Preparing... ########################################### [100%] 1:elrepo-release ########################################### [100%] [root@]# yum --enablerepo=elrepo install kmod-nvidia Loaded plugins: refresh-packagekit elrepo | 1.9 kB 00:00 elrepo/primary_db | 111 kB 00:00 Setting up Install Process Resolving Dependencies --> Running transaction check ---> Package kmod-nvidia.x86_64 0:260.19.44-1.el6.elrepo set to be updated --> Processing Dependency: nvidia-x11-drv = 260.19.44-1.el6.elrepo for package: kmod-nvidia-260.19.44-1.el6.elrepo.x86_64 --> Running transaction check ---> Package nvidia-x11-drv.x86_64 0:260.19.44-1.el6.elrepo set to be updated --> Finished Dependency Resolution Dependencies Resolved ================================================================================ Package Arch Version Repository Size ================================================================================ Installing: kmod-nvidia x86_64 260.19.44-1.el6.elrepo elrepo 3.1 M Installing for dependencies: nvidia-x11-drv x86_64 260.19.44-1.el6.elrepo elrepo 18 M Transaction Summary ================================================================================ Install 2 Package(s) Upgrade 0 Package(s) Total download size: 21 M Installed size: 87 M Is this ok [y/N]: y Downloading Packages: (1/2): kmod-nvidia-260.19.44-1.el6.elrepo.x86_64.rpm | 3.1 MB 00:05 (2/2): nvidia-x11-drv-260.19.44-1.el6.elrepo.x86_64.rpm | 18 MB 00:25 -------------------------------------------------------------------------------- Total 686 kB/s | 21 MB 00:31 Running rpm_check_debug Running Transaction Test Transaction Test Succeeded Running Transaction Warning: RPMDB altered outside of yum. Installing : kmod-nvidia-260.19.44-1.el6.elrepo.x86_64 1/2 Working. This may take some time ... Done. Installing : nvidia-x11-drv-260.19.44-1.el6.elrepo.x86_64 2/2 Installed: kmod-nvidia.x86_64 0:260.19.44-1.el6.elrepo Dependency Installed: nvidia-x11-drv.x86_64 0:260.19.44-1.el6.elrepo Complete!
Windows-XPの仮想マシンの作成: 半年前に、CentOS上でWindows-XPの仮想マシンを作成したことがある(関連記事はここ)。SL6上インストール時にあわせて構築した仮想マシン環境に、この「ディスクイメージ」を移設してみた。移設は「仮想マシンマネージャ(Virtual Machine Manager)」上で新規の仮想マシン作成時に「ディスクイメージ」をコピーするだけで行うことができる。
仮想マシンを新規に作成する手順は、CentOS 上でおこなった際と基本的には同じである。
SL6上での仮想マシン環境はCentOS(5.x)上でのそれに比べ、試行した範囲では、インタフェースの改良などにより使い易くなっているとの印象を受けている。Windows-XPの動作も単一のPC上での操作と感覚的には変わりがない。
今後の計画: サーバー更新に向け、今回試行的にインストールしてみたSL6を本格的に導入してみようと考えている。CentOSに比べ、今のところ、同じRHELクローンとして特段の問題はないものと感じる。むしろ、SL6のディストリビューションがボランティアベースで行われているのに対し、Fermi Lab.とかCERNの使用に耐えたものであるということなどを考えると、有利ではないかと思われる。
今後、現在稼動している「自宅サーバー」上のアプリケーション等を順次SL6上で実現してゆくことにし、今年末あたりを目途に「仮想マシン環境」を活用したかたちで、より整理されたかたちでのサーバーマシンを構築してゆく予定である。
これからの作業についても、逐次、このブログ上に記録してゆく予定。
請う、ご期待。