電子辞書の「前頭葉機能検査」って意味があるのかな?

January 12, 2009 – 10:38 am

娘の電子辞書(Sharp製Papyrus)に「脳を鍛える大人の計算ドリル」というのがあった。そのなかに、前頭葉機能検査ということで、「カウンティング」と「単語記憶テスト」のふたつのゲーム(?)がある。このゲームで継続的に訓練を続けると、老人のボケ防止になるらしい。「単語記憶テスト」をやってみた。実に、30単語のうち4つの単語しか記憶できないという惨憺たる結果だった。娘がやると、実に、20単語くらい記憶できる。いよいよ老人のボケが始まったかと心配になってしまった。



前頭葉機能検査: どうも、この前頭葉機能検査というもの「脳を鍛える大人の計算ドリル」という名前で、相当、流行っているもののようだ。いろいろなテストがあるらしい。娘の電子辞書にあるのは、「カウンティング」と「単語記憶テスト」の2種類。その内容は次のようなもの:

テスト1:カウンティング
1~120まで声を出して数える。数え終えるまでの時間を測る。

このテスト、数え終わるまでの時間が短ければ短いほどいいらしい。途中まで数えたが60あたりでバカバカしくなってやめてしまった。数を数えるくらいはできるわいという心境。

テスト2: 単語記憶テスト
ひらがな三文字の単語30個を2分間で記憶だけ記憶するというもの。電子辞書の画面にはつぎのようなインストラクションがでてくる:

次の画面に表示されることばを2分間でできるだけたくさん覚えます
その後覚えたことばをできるだけたくさん入力します。

のはら おんば たらい ほこり かばん
ようじ いわし もみじ せんろ あそび
なみだ ひかり すもも しずく みんな
いずみ こんぶ となり きせつ ひびき
のぼり れきし えがお きもち ふぶき
おとこ しんぽ てんき けむし まほう

(画面が消え、次のインストラクションが現れる)

5分間で憶えていることばをできるだけたくさん入力します
ことばは、キーを使って入力します

私の成績: やってみた。冒頭に書いたように惨憺たる結果。入力でき、正解したのは、たった4つの単語のみ。こんな単語があったなと入力しても、「該当する単語はありません」とはじかれてしまう。癪にさわることに、テストが終了すると「とっても良いです」なんてメッセージが現れる。なにがいいんだ、とバカにされたような気分になる。

娘の成績: 娘にやらせてみた。既に何回か、これで遊んだ経験があるという。実に、18の単語が記憶できた。私の完敗だ。私は、ゲームに慣れていないためだ、と何回かトライするが、せいぜい6単語程度の正解、それ以上はスコアが上がらない。私の前頭葉の機能は、著しく低下してしまったのか?などと思ってしまう。

テストの意味について考える: 本棚にあった心理学の教科書(リンゼイ/ノーマン著:情報処理心理学入門Ⅱ(サイエンス社))を持ち出して「記憶」の部分を読み直してみる。このテストで一体、何が測られているのか知りたかったからだ。しかし、どうもよくわからない。少し時間をかけて、このあたり、まじめに考えなければならないと感じる。心理学の教科書を持ち出したのは、どうも最近流行の「脳科学」なんていうのに抵抗があるということだ。

確かに、年をとって物忘れが多くなってきた。人の名前がすぐでない、などなどである。そうしたときに、簡単な記憶テストで散々な結果になると、誰でも心配になる。しかし、こうしたテスト結果を、脳の機能に直結させて考えるのは、本当に良いことなのか?また、科学的な観点から正しいことなのか?そのあたりを、はっきりさせねばと思った次第だ。


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